採用代行(RPO)とは?業務委託の基本と注目される理由
近年、企業の採用手法は多様化し、SNS採用やダイレクトリクルーティングなど、様々な新たな手法が登場しています。そのため、従来の採用活動だけでは適切な人材確保では難しいと感じている担当者の方も多いのでは無いでしょうか。
そこで注目されたのが採用代行です。採用の専門知識を持つ外部パートナーに委託することで、効果的な採用活動が実現できます。
採用代行(RPO)とは?
採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)とは、企業の採用業務の一部または全てを外部の専門業者に委託するサービスを指します。企業の採用活動を円滑に進めるために、求人広告の掲載、応募者対応、面接の調整、内定フォローなどの業務を代行します。採用代行は、企業の採用活動を支援するための「準委任契約」として結ばれるケースが一般的です。これにより、企業の戦略に沿った採用活動が可能となり、柔軟な対応が期待できます。
採用代行(RPO)とBPOの違い
採用代行(RPO)と混同されることの多いBPO(Business Process Outsourcing)ですが、それぞれの目的と業務範囲には違いがあります。
- 採用代行(RPO):採用業務に特化したアウトソーシングであり、企業の採用活動全体または一部を支援することに特化しています。採用計画の立案、応募者の選定、面接調整などの専門的な業務を担います。
- BPO:企業の業務プロセス全般を外部に委託するサービスであり、採用業務に限らず、人事、経理、カスタマーサポートなど幅広い分野で利用されます。
採用代行(RPO)は、採用活動を効率化し、専門性を活かした採用戦略を実現するための手段として注目されています。
採用代行(RPO)が注目される背景
採用環境の変化に対応し、より効率的かつ戦略的な採用活動を実現するために、採用代行(RPO)の活用が注目されています。
具体的にどのような環境変化によって注目されているのか、下記で紹介いたします。
人材不足の深刻化
1つ目の背景は、人材不足の深刻化が進んでいることです。近年、少子高齢化の影響により労働人口が減少し、多くの企業が人材確保に苦戦しています。特に専門スキルを要する職種や経験者採用においては、競争が激化しており、優秀な人材を確保するのが難しくなっています。さらに、採用活動を行う企業自身もリソース不足に直面しています。限られた採用担当者が多くの業務を抱える中で、求人広告の作成、応募者対応、面接調整などの業務に十分な時間を割くことができず、結果として採用の遅れやミスマッチの発生につながるケースも少なくありません。
採用手法の多様化と変化
2つ目の背景は、採用手法の多様化と変化です。
従来の「求人広告を掲載し、応募者を待つ」という採用スタイルだけでは、必要な人材を確保することが難しくなっています。ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、SNS採用など、新しい採用手法が次々と登場し、それらを活用しなければ競争に勝ち残れない状況になっています。しかし、新しい採用手法を取り入れるには、専門的な知識やノウハウが求められます。また、採用チャネルが増えたことで、採用活動全体の管理や効果測定の工数も増加しています。自社の採用担当者だけでこうした変化に対応するのは難しく、多様な採用手法を駆使できる採用代行の活用が進んでいます。
採用コストの上昇
3つ目の背景は、採用コストの上昇です。採用にかかるコストは年々上昇しています。求人広告費、エージェント手数料、採用管理システムの導入費用など、企業が負担する採用関連費用は増える一方です。また、採用の長期化により、1人の候補者を採用するためにかかるコスト(採用単価)も高くなっています。加えて、内定辞退や早期離職のリスクが高まり、より慎重な選考が求められるようになった結果、採用担当者の工数も増加。こうした負担を軽減するため、専門の採用代行サービスを活用し、コストを最適化しながら効率的な採用を実現する企業が増えています。
採用代行の業務委託でできる業務一覧
採用代行(RPO)は採用プロセスの様々なフェーズで企業の負担を軽減しながら、より効果的な採用活動の実現をサポートします。
それでは、どのようなフェーズでどのようなサポートをしているのかを具体的に見ていきましょう。
採用計画・戦略立案
採用活動の成功には、事前の戦略設計が欠かせません。採用代行(RPO)を活用すると、企業の採用ニーズに合わせた 市場分析・競合調査 や 採用ターゲットの設定 などを外部の専門家に委託できます。特に、人材不足が深刻化する中で、効果的な採用手法を見極め、適切な時期や方法で採用活動を展開することが求められます。採用計画の段階から業務委託を活用することで、成功率の高い採用戦略を実施できます。
求人広告の運用・スカウト業務
採用活動の第一歩となるのが 求人広告の掲載・運用 です。採用代行では、 求人媒体の選定、求人原稿の作成・掲載、スカウトメールの送信 などを代行できます。特に近年では、従来の求人広告だけでなく、 ダイレクトリクルーティング(スカウト)やSNS採用 など、より積極的なアプローチが求められています。採用代行を利用することで、適切な媒体選定やターゲットに合ったメッセージ配信が可能になり、効率的に母集団形成を進めることができます。
応募者管理・選考スケジュール調整
採用プロセスが進むにつれ、 応募者の管理や選考日程の調整 が必要になります。特に応募者が増えると、 エントリー情報の整理・管理、応募者への連絡、面接日程の調整 などの業務負担が大きくなります。採用代行を活用すれば、これらのオペレーション業務を効率化できるため、採用担当者は コア業務(面接や候補者との関係構築)に集中 できます。応募者対応の迅速化は、候補者の満足度向上にもつながり、辞退率の低下にも寄与します。
書類選考・面接対応
書類選考や面接も、採用代行によって委託可能な業務の一つです。 書類選考の基準策定、エントリーシートのチェック、適性検査の実施・分析 などを外部の専門家に任せることで、より客観的な選考が可能になります。さらに、面接のスケジュール管理だけでなく、 面接官トレーニングや面接代行 も依頼できます。特に 応募者の本音を引き出す質問設計 や 評価基準の統一 などのノウハウを持つプロフェッショナルの支援により、面接の質を高めることができます。
内定者フォロー・オンボーディング
採用成功の鍵を握るのが 内定者フォローとオンボーディング(入社後の定着支援) です。採用代行を活用すれば、 内定者への定期フォロー、内定者向けイベントの企画・運営、入社手続きのサポート などを委託できます。特に 内定辞退防止 のためには、候補者との継続的なコミュニケーションが欠かせません。また、 入社後のオンボーディング支援 により、新入社員の早期離職を防ぎ、長期的な活躍につなげることができます。
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採用代行を委託する際のメリットデメリット
採用代行を委託するメリット
本章では採用代行を委託する際のメリットとデメリットについて紹介します。採用代行の利用は決して無料で行えるわけではありません。メリットとデメリットをしっかりと理解した上で費用対効果を比較して検討しましょう。
採用業務の負担軽減と効率化
採用活動には、求人広告の作成・掲載、応募者対応、日程調整、面接官トレーニング、内定者フォローなど、多くの業務が発生します。これらの業務をすべて社内で対応するには、採用担当者の負担が大きくなり、本来注力すべき戦略的な業務(採用計画の立案や候補者との関係構築など) に時間を割けなくなります。
採用代行を活用することで、応募者管理やスケジュール調整などのノンコア業務を外部に委託し、社内の人材リソースを最適化 できます。また、対応のスピードアップにより、応募者の満足度が向上し、歩留まりの改善にもつながります。特に、多くの応募者を抱える企業や、採用活動が長期化している企業にとって、大きなメリットとなるでしょう。
コスト削減とリソース最適化
採用活動には、人材紹介会社の利用費用、求人広告費、採用管理ツールの導入費用など、多くのコストがかかります。さらに、採用担当者を新たに雇用する場合、人件費が大きな負担となることもあります。
採用代行を利用することで、必要な業務のみ外部に委託することで、コストの無駄を削減 できます。例えば、ダイレクトリクルーティングや求人広告の運用を専門の業者に委託することで、より適切な媒体選定や効果的なスカウト配信が可能になり、無駄な広告費を抑えられます。また、採用業務の負担を外部に任せることで、社内のリソースをより戦略的な業務に集中 させることができるため、企業全体の生産性向上にもつながります。
専門家のノウハウ活用
採用代行を提供する企業は、さまざまな業界・職種の採用支援を行ってきた豊富な経験とノウハウを持っています。そのため、自社だけでは得られない最新の採用トレンドや選考ノウハウを活用し、より効果的な採用活動を実現 することができます。
特に、採用市場の動向を踏まえたターゲット設定や、面接官向けのトレーニング、選考フローの最適化など、企業の採用力を向上させるサポートも受けられるのが魅力です。さらに、採用活動のデータを分析し、採用成功率を高めるための改善提案 を行ってもらうことで、今後の採用活動にも活かせる知見が得られるでしょう。
採用代行を委託するデメリット
採用代行には多くのメリットがある一方で、適切に運用しなければデメリットが生じる可能性もあるため、導入前に十分な検討が必要 です。下記にて想定し得るデメリットを紹介します。
自社にノウハウが蓄積されないリスク
採用代行を活用すると、採用プロセスの多くを外部に依存することになります。その結果、社内に採用ノウハウが蓄積されにくくなり、長期的に見ると自社の採用力が向上しにくい というリスクがあります。特に、採用業務を完全に外部に丸投げしてしまうと、採用市場の変化に柔軟に対応できなくなる可能性があります。
また、採用担当者が経験を積めないため、いざ内製化を検討する際に、スムーズに運営できないという課題が発生することもあります。このリスクを回避するためには、採用代行の業務範囲を明確にし、社内で積極的にフィードバックを受けるなど、ノウハウを学べる体制を整えることが重要 です。
情報漏洩のリスク
採用代行を利用する際には、自社の採用戦略や候補者の個人情報など、多くの機密情報を外部企業と共有する必要があります。そのため、情報漏洩のリスク が発生します。特に、複数の企業の採用業務を請け負っている代行会社では、情報管理が適切に行われていない場合、意図せず競合企業に採用戦略が漏れてしまう可能性もあります。
このリスクを最小限に抑えるためには、業務委託契約を締結する際に、秘密保持契約(NDA)をしっかりと確認することが重要 です。また、個人情報の取り扱いに関するルールを明確にし、適切なセキュリティ対策を講じている企業に委託することが必要です。
コスト負担が想定以上になる可能性
採用代行を利用することで、コストを最適化できるケースもありますが、業務量が増加した場合や依頼内容が拡大した場合、想定以上の費用がかかる可能性 もあります。特に、成果報酬型の契約を結んでいる場合、予算管理が難しくなるケースもあります。
また、採用代行を利用することで社内の採用担当者の業務負担は軽減されますが、その分、委託先との連携や進捗管理に時間を割く必要が生じます。これにより、コストだけでなく、社内の人的リソースにも影響が出る ことがあるため、注意が必要です。
こうしたリスクを避けるためには、委託範囲を明確に定め、料金体系や追加費用の発生条件を事前に確認すること が重要です。特に、長期的に採用代行を活用する場合は、費用対効果を見極めながら、最適な運用方法を検討する必要があります。
採用代行(RPO)の料金体系と費用相場
採用代行(RPO)の主な料金体系
採用代行(RPO)の料金体系は、企業の採用ニーズや業務範囲に応じて異なります。一般的には、「月額固定型」「成功報酬型」「従量課金型」 の3つの料金体系が採用されています。各料金体系の特徴や費用相場を解説します。
月額一律料金型
月額固定型 は、あらかじめ決められた業務内容に応じて、毎月一定額を支払う料金体系です。たとえば、求人広告の運用、応募者管理、面接日程調整 など、一定の業務を長期間にわたって委託する場合に適しています。
特徴
・料金が固定されているため、予算管理がしやすい
・採用業務を長期的にアウトソーシングしたい企業に向いている
・必要な業務をパッケージプランとして選べる
費用相場
・一部業務のみ委託する場合:月額 10万~30万円
・採用業務全体を委託する場合:月額 40万~100万円以上
成功報酬型
成功報酬型 は、成果が出た段階で料金が発生する支払い方式です。通常、「面接実施」「内定承諾」「入社」 などの成果ごとに料金が設定されます。特に、質の高い採用を重視する企業 や、採用予算に余裕がない企業に向いています。
特徴
・成果が出るまで料金が発生しないため、初期費用を抑えられる
・採用人数が増えるとコストが高くなる
・高度なスキルを持つ人材の採用を希望する企業に適している
費用相場
・面接実施1件あたり:3万~10万円
・内定承諾1件あたり:30万~50万円
・入社1件あたり:年収の20~35%
従量課金型
従量課金型 は、実施した業務の量に応じて費用が決まる 料金体系です。たとえば、応募者管理、書類選考、スカウトメール送信 など、特定の業務のみ委託する際に活用されます。必要な業務だけを選んで依頼できるため、コストを最適化しやすいのが特徴です。
特徴
・必要な業務だけを委託できるため、コスト管理がしやすい
・採用活動の繁忙期・閑散期に応じて柔軟に依頼できる
・初期費用が発生する場合があるため、契約内容を事前に確認する必要がある
費用相場
・応募者管理(1名あたり):5000円~1万円
・書類選考(1件あたり):1万~3万円
・スカウトメール送信(100通あたり):5万~15万円
採用代行(RPO)の費用相場
採用代行(RPO)の費用は、新卒採用と中途採用で異なります。新卒採用では大量の応募者をさばくためのオペレーション業務が多く、中途採用では専門職や即戦力人材の採用に特化した対応が求められます。そのため、費用の目安として以下の相場が一般的です。
新卒採用と中途採用の費用相場
新卒採用代行の費用相場は下記です。
初期費用:10万~30万円
月額費用:20万~50万円
成功報酬(内定者確定時):1人あたり20万~50万円
中途採用代行の費用相場は
初期費用:10万~30万円
月額費用:30万~70万円
成功報酬(内定者確定時):採用者の年収の20%~35%
業務別費用相場
採用業務内容 | 費用相場 |
面接日程調整 | 月額5万~20万円 |
DM・スカウト配信 | 月額10万~30万円 |
面接代行 | 1回あたり1万~5万円 |
応募者管理(合否連絡・内定通知) | 月額2万~5万円 |
入社意思確認 | 月額2万~5万円 |
契約形態別の料金シミュレーション
採用代行の費用は、契約形態によって異なります。代表的な契約形態ごとの料金シミュレーションを紹介します。
1. 月額固定型(サブスクリプション型)
毎月一定額を支払う方式で、業務内容に応じたプランを選択できます。安定した予算管理が可能で、長期的な採用活動を行う企業に適しています。
シミュレーション例:
基本プラン(月額20万円):求人広告管理、応募者対応、面接日程調整
フルサポートプラン(月額50万円):採用戦略設計、母集団形成、スカウト配信、面接代行
2. 成功報酬型(成果ベース)
採用の成果(面接実施・内定・入社)に応じて料金が発生します。初期費用を抑えたい企業向けですが、採用成功時のコストが高くなる可能性があります。
シミュレーション例:
面接実施1件あたり:3万~10万円
内定確定1件あたり:30万~50万円
入社1件あたり:年収の20~35%
3. 従量課金型(利用した分だけ支払い)
採用活動の一部のみを外部に委託したい企業向け。業務の負担が大きい部分だけを依頼し、柔軟にコストを管理できます。
シミュレーション例:
応募者管理(1名あたり):5000円~1万円
書類選考(1件あたり):1万~3万円
スカウトメール送信(100通あたり):5万~15万円
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採用代行を活用する際の注意点
採用代行を効果的に活用するためには、業務範囲の明確化、適切なコミュニケーション体制の構築、成果指標の設定とPDCAサイクルの活用 が重要です。これらのポイントを押さえておくことで、無駄なコストやトラブルを防ぎ、スムーズな採用活動を実現できます。
業務範囲の明確化と契約内容の確認
採用代行を活用する際には、どの業務を委託するのか明確に決めることが重要 です。採用活動には、母集団形成、書類選考、面接調整、内定者フォローなど多くの業務が含まれますが、すべてを外部に委託する必要はありません。
例えば、応募者との最終的な面接や内定通知は自社で行いたい場合、委託先と明確に合意しておかないと、「予定外の業務が追加された」「思っていたより費用がかかった」といったトラブルにつながる可能性があります。
契約内容を確認する際のポイント
・委託範囲(どこまでの業務を依頼するのか)
・費用の詳細(追加料金の発生条件など)
・業務フロー(どの段階でどの業務を行うのか)
・納期や進捗報告の頻度
コミュニケーションの頻度と体制の構築
採用代行を導入したからといって、完全に丸投げしてしまうと、進捗の遅れや認識のズレが発生し、期待する成果が得られない可能性 があります。そのため、定期的なコミュニケーションの場を設け、進捗を確認することが重要 です。
効果的なコミュニケーション体制のポイント
・定例ミーティングの実施(週1回・月1回など、進捗状況を確認)
・報告フォーマットの統一(進捗を可視化しやすくする)
・クラウドツールの活用(Slack・Googleドキュメントなどでリアルタイム共有)
成果指標の設定とPDCAサイクルの活用
採用代行を活用する際には、具体的な成果指標(KPI)を設定し、定期的に効果を測定することが重要 です。採用活動の成功は単なる応募者数の増加だけでなく、最終的な内定承諾率や定着率にも影響を及ぼします。
設定すべき主要なKPI例
応募数(どの程度の母集団が形成できたか)
・書類通過率(スクリーニングの精度)
・面接通過率(質の高い候補者を確保できているか)
・内定承諾率(ターゲット人材を適切に確保できているか)
・早期離職率(採用後の定着率)
採用代行(RPO)の導入ステップ
1. キックオフミーティング
採用代行(RPO)の導入にあたり、最初に行うのがキックオフミーティング です。このミーティングでは、企業と採用代行会社が一堂に会し、プロジェクトの方向性を明確にする ことが目的となります。
主な議題
・採用の目的とゴールの共有(採用人数、求める人材像など)
・既存の採用プロセスの確認と課題の洗い出し
・委託範囲の確認(どの業務を代行するか)
・コミュニケーションのルール決め(定例会の頻度・報告方法など)
この段階でしっかりと意思疎通を図ることで、導入後のスムーズな運用につながります。
2. 採用目標の設定
キックオフミーティングでの議論をもとに、具体的な採用目標を設定 します。これは、採用活動の成果を測る基準となるため、明確に定めることが重要です。
設定する主な指標(KPI)
・採用人数(新卒・中途・アルバイトなど)
・応募者数や書類通過率
・面接通過率や内定承諾率
・採用コスト(採用単価・広告費など)
3. 業務フローの確立
次に、採用代行会社とともに、具体的な業務フローを確立 します。採用プロセスは企業によって異なるため、自社の状況に合ったフローを設計することが重要です。
業務フローの主なポイント
求人掲載のスケジュール策定
・応募者管理(書類選考・面接調整など)
・面接プロセスの最適化(誰が面接を行うか、評価基準の統一など)
・内定者フォロー(入社意思確認、オンボーディング準備など)
この段階で「どこまでを採用代行会社が担当するか」 を明確にすることで、運用開始後のトラブルを防ぐことができます。
4. 採用活動の開始
業務フローが確定したら、実際に採用活動をスタートします。採用代行会社が主に担う業務として、以下のようなものが挙げられます。
採用活動の主な業務
・求人広告の作成・掲載
・応募者の書類選考・スクリーニング
・面接日程の調整・連絡
・採用担当者や面接官との連携・サポート
・内定後のフォローアップ(辞退防止施策の実施)
運用開始後は、適宜状況を共有しながら採用プロセスを進めていきます。
5. 定期的な進捗確認と改善施策の実施
採用活動が始まった後は、定期的に進捗を確認し、改善施策を講じる ことが重要です。特に、採用市場の変化や求職者の動向によって、採用戦略を柔軟に調整する必要があります。
進捗確認のポイント
・定例ミーティングを実施(週次・月次など)
・採用KPIの進捗状況を分析(応募数・面接通過率・内定承諾率など)
・採用手法の見直し(求人媒体の変更、スカウト戦略の再考など)
・業務フローの改善(ボトルネックの特定と対応策の実施)
採用代行サービス提供会社10選!特徴と費用
HRクラウド株式会社
引用元:HRクラウド株式会社
特徴:HRクラウド株式会社は、求職者と企業のデータやAIを活用した採用システムを提供し、ヒトと企業のミスマッチをなくすことを目指しています。新サービスの採用代行BPAASはデータ移行から進捗管理まで、採用の効率化をサポート。ITテクノロジーを駆使し、パーソナライズリクルーティングを用いてミスマッチのない採用のスキームを確立いたします。
費用:月額2万円から利用可能です。詳しくはお問い合わせください。
株式会社ネオキャリア
引用元:株式会社ネオキャリア
特徴:株式会社ネオキャリアは、国内に5つの採用代行センターを持ち、700席以上の稼働可能スペースを確保しています。これにより、多数のクライアント企業の採用活動を支援する体制を整えています。年間10,000社以上の採用支援実績があり、総合代理店としての強みを活かし、最適な採用手法を提案しています。また、一定のセキュリティ基準をクリアしたセンターで、質の高いオペレーターが対応しており、独自の教育制度によりスタッフの継続的なスキル向上を図っています。
費用:新卒、中途、アルバイトによって異なる価格設定。詳しくはお問い合わせください。
株式会社トライアンフ
引用元:株式会社トライアンフ
特徴:株式会社トライアンフは、採用代行・アウトソーシングサービスを提供しており、業務代行を通じて採用担当者がコア業務に専念できる環境を提供しています。メールや電話での応募者対応、面接調整など、人材採用に関わるすべての業務を支援しています。また、採用活動の検証・改善を通じて、最適化を図ることを重視しています。
費用:費用に関する詳細は公開されていません。詳しくはお問い合わせください。
HRラボ株式会社
引用元:HRラボ株式会社
特徴:HRラボ株式会社は、人事・キャリアのコンサルティング企業として、採用代行、教育研修、労務相談など幅広いサービスを提供しています。特に、戦略プランニングから採用事務まで、現場と同じ目線に立って採用活動を支援し、人事担当者の育成にも注力しています。また、女性が多い職場の離職率低下を目的としたキャリアデザイン研修やキャリア面談の導入など、組織の課題に応じた柔軟な対応が特徴です。
費用:費用に関する詳細は公開されていません。詳しくはお問い合わせください。
株式会社キャリアパワー
引用元:株式会社キャリアパワー
特徴:株式会社キャリアパワーは、人事部門の一部業務を代行し、採用活動から入社後のフォローまできめ細かな対応で企業のニーズに応えています。具体的には、企業説明会の実施、エントリー受付、面接プロセスの管理、スカウトメールの送信、内定者のフォローアップ、入社研修、入社後のカウンセリングなど、人材採用に関連するあらゆる業務を代行します。
費用:費用に関する詳細は公開されていません。詳しくはお問い合わせください。
株式会社uloqo
引用元:株式会社uloqo,https://digireka-hr.jp/recruitment-outsourcing/#uloqoHR
特徴:株式会社uloqoは、テクノロジー領域に特化した採用代行および人事コンサルティングサービスを提供しています。WantedlyやGreenなど、21種類以上の採用媒体の運用代行実績を持ち、Wantedlyの公式認定運用パートナーとしても認められています。同社は、採用戦略の立案から面接の最適化・代行まで、一貫した支援を行い、模擬面接の複数回実施や事前の綿密なすり合わせを通じて、質の高いサービスを提供しています。
費用:月額30万円(税抜)~※ご予算や支援範囲に応じてご相談。可能詳しくはお問い合わせください。
株式会社ベクトル
引用元:株式会社ベクトル
特徴:株式会社ベクトルは、人事コンサルティングや教育研修、採用支援、給与・社会保険事務代行など、人事領域における総合的なサービスを提供しています。採用支援サービスでは、新卒・中途・パート・アルバイト採用に対応し、採用戦略の立案から実務の代行まで、企業のニーズに応じた支援を行っています。また、採用後の人材活用を見据えたフォローや提案も行い、企業の人材戦略をトータルでサポートしています。
費用:費用に関する詳細は公開されていません。詳しくはお問い合わせください。
株式会社リンクコンサルティンググループ
特徴:株式会社リンクコンサルティンググループは、採用成功率90%を誇り、600社以上の実績を持つ採用代行・アウトソーシングの専門企業です。同社の採用代行サービスは、単なる業務代行ではなく、各企業のプロリクルーターとして運営し、より多くの応募者の獲得と入社希望者の確保を目指しています。具体的なサービス内容として、ナビ管理、メール発信代行、電話動員、スカウト代行、会社説明会の企画・代行、面接・試験代行など、多岐にわたる採用支援を提供しています。
費用:費用に関する詳細は公開されていません。詳しくはお問い合わせください。
株式会社foredge
引用元:株式会社foredge
特徴:株式会社foredgeは、クライアントの事業内容や採用計画に基づいたプランの立案から、実際の採用業務運営まで、トータル的な採用業務代行サービスを提供しています。新卒・中途・パート/アルバイト・派遣など、あらゆる雇用形態の採用に対応可能で、長期・短期といった条件付きの採用にも柔軟に対応しています。同社のRPOセンター(コールセンター)を活用し、応募者へのコミュニケーション・サポートを行い、離脱リスクを抑えながら面接までスムーズに誘導するなど、募集から採用まで一気通貫での支援を行っています。
費用:費用に関する詳細は公開されていません。詳しくはお問い合わせください。
株式会社キャリタス
引用元:株式会社キャリタス
特徴:株式会社キャリタスは、1973年に設立され、企業の人材採用を総合的に支援するサービスを提供しています。同社は、新卒採用向け就職情報メディア「キャリタス就活」や就職イベント「キャリタス就活フォーラム」の企画・運営を行い、企業と就活生の出会いを創出しています。また、採用プロセスの企画立案から業務フローの構築・運営まで、数多くの企業の採用業務を代行・請け負っており、年間約400社の新卒採用を支えています。
費用:費用に関する詳細は公開されていません。詳しくはお問い合わせください。
自社に最適なパートナーを見つけるための採用代行サービスの選び方
サービスの対応範囲と強み
採用代行サービスを選ぶ際は、提供するサービスの範囲 や 強み を確認することが重要です。採用代行には、応募者管理や面接調整といったオペレーション業務を担うものから、採用戦略の立案やターゲット選定などのコンサルティング業務まで、さまざまなサービスがあります。
例えば、自社が抱える課題が「採用業務の工数削減」であれば、日程調整や応募者対応などの実務をサポートできる企業を選ぶのが適切です。一方で、「採用ターゲットの選定が難しい」「ダイレクトリクルーティングを強化したい」といった課題がある場合は、コンサルティングに強い企業を選ぶ必要があります。
また、業界や職種ごとに特化した採用代行会社もあるため、自社の業界に精通したパートナーを選ぶ ことで、より適切な候補者へのアプローチが可能になります。
料金体系の透明性
採用代行サービスの料金体系は、月額固定型、成功報酬型、従量課金型 など、複数の形態が存在します。そのため、契約時に料金の仕組みを明確に確認することが重要 です。
例えば、
月額固定型:業務範囲が明確で、一定のコストで利用可能
成功報酬型:内定承諾や入社が決定したタイミングで支払い発生(初期コストは抑えやすいが、1名あたりのコストが高くなる可能性あり)
従量課金型:スカウト送信や応募者対応など、業務ごとの課金で柔軟に利用可能
また、追加費用が発生する可能性がある項目(例:スカウトメールの送信件数超過、採用管理システムの利用料など)も確認しておくことで、予想外のコスト負担を防ぐことができます。
過去の実績とクライアントの評価
実績が豊富な採用代行会社は、さまざまな企業の採用成功事例をもとに最適な支援を提供 できるため、選定の際には 過去の実績や導入事例をチェック することが重要です。
具体的には、
過去の支援企業の規模や業種(自社と近い企業の実績があるか)
年間の採用支援実績数(どの程度の案件を扱っているか)
成功事例(採用単価の削減、歩留まり改善など)
また、クライアントの評価や口コミを参考にすることで、実際の対応品質や強みが把握しやすくなります。特に、スムーズな連携が取れるか、柔軟に対応してくれるか など、運用面のフィードバックを確認すると、よりミスマッチを防ぐことができます。
コミュニケーションのしやすさ
採用代行を活用する際には、定期的な情報共有が欠かせません。そのため、コミュニケーションの取りやすさや連携体制の構築ができるか も選定時の重要なポイントです。
チェックすべき点として、
定期的な進捗報告の有無(週次・月次ミーティングの設定)
連絡手段の種類(メール、Slack、Zoomなど)
フィードバックのスピード(問い合わせへの対応時間)
特に、迅速な対応や柔軟な連携が取れるか は、採用活動の成功に直結します。候補者とのやり取りが遅れると、選考辞退につながる可能性があるため、対応スピードが速い企業を選ぶことが望ましいでしょう。
自社の採用戦略に合致しているか
採用代行サービスを選ぶ際に、最も重要なのは 自社の採用方針や戦略にマッチしているか です。採用代行会社によって、得意とする採用手法や支援領域が異なるため、導入前にしっかりと見極めることが大切です。
例えば、
ダイレクトリクルーティングに強い企業か
採用ブランディング支援が可能か
採用管理システムの運用が得意か
また、採用代行を一時的な支援として利用するのか、将来的に内製化を見据えたノウハウ提供も含めてサポートを受けたいのか によっても、適したパートナーが変わってきます。
採用代行(RPO)サービスの導入に向いている企業
採用代行(RPO)サービスは、コア業務に手が回らない企業、専任の採用担当者がいない企業、改善活動をしても成果が出ない企業 に特におすすめです。採用活動の負担を軽減し、戦略的な業務に集中することで、より効率的かつ効果的な採用が実現できます。
コア業務に手が回らない企業
採用活動には、求人広告の出稿、スカウトメールの送信、応募者対応、日程調整、面接実施、内定後のフォローなど、多くのプロセスが含まれます。特に、中途採用・新卒採用を並行して実施している企業や、急な採用ニーズが発生している企業 では、採用担当者の負担が大きくなり、戦略的な業務に時間を割けなくなることがあります。
例えば、応募者対応や日程調整などのオペレーション業務に時間を取られ、採用計画の見直しや採用ブランディングの強化といった本来優先すべきコア業務が後回し になることは珍しくありません。
このような場合、採用代行サービスを活用し、ノンコア業務を外部に委託することで、社内のリソースをコア業務に集中 させることができます。結果として、採用活動の質が向上し、最適な人材の獲得につながる可能性が高まります。
専任の採用担当者がいない企業
スタートアップやベンチャー企業では、専任の採用担当者を配置せず、経営層や現場のマネージャーが採用業務を兼務 しているケースが多く見られます。この場合、採用ノウハウが十分に蓄積されておらず、適切な採用手法が分からない、採用活動に十分な時間を割けない という課題が発生しやすくなります。
例えば、スカウトや求人広告の運用を試してみたものの、思うように応募が集まらない、適切な候補者と出会えない というケースも少なくありません。また、応募者がいても選考プロセスの設計が不十分で、選考期間が長引いたり、内定辞退率が高くなったりするリスク もあります。
採用代行サービスを利用すれば、採用の専門家が企業の採用課題を分析し、最適な採用手法を提案・実施 してくれます。これにより、専任の採用担当者がいない企業でも、戦略的かつ効率的な採用活動を進めることが可能になります。
改善活動を行ってもなかなか成果に繋がっていない企業
すでに採用担当者が在籍し、採用活動を継続的に改善しているにも関わらず、思うような成果が出ていない という企業も、採用代行サービスの導入を検討すべき対象です。
例えば、応募数は一定数確保できているものの、面接通過率が低い、内定承諾率が伸びない といった課題を抱えている場合、自社の採用戦略や選考プロセスに問題がある可能性があります。
採用代行サービスを活用することで、他社の成功事例をもとにした改善提案や、新しい採用手法の導入 など、専門的なサポートを受けることができます。また、採用市場のトレンドに基づいたアドバイスを受けることで、ターゲット人材への訴求方法を最適化し、採用成功率を高めることが可能になります。
採用代行以外の解決方法とは?
採用活動を効率化する方法は、採用代行(RPO)だけではありません。企業の課題に応じて、採用管理システムの活用、人材紹介会社の利用、採用コンサルタントへの相談 など、さまざまな選択肢があります。ここでは、それぞれの特徴について解説します。
採用管理システム
採用管理システム(ATS:Applicant Tracking System)は、応募者の情報管理や選考プロセスの進行を一元化できるツールです。特に、採用フローが複雑な企業や、複数の求人媒体を利用している企業 にとっては、業務の効率化と精度向上につながります。
採用管理システムを活用するメリット
・応募者データの一元管理:媒体ごとにバラバラだった応募情報を統合
・面接スケジュールの自動調整:工数削減&スムーズな選考が可能
・選考状況の可視化:採用KPIを測定し、改善施策を立案しやすい

人材紹介会社
即戦力となる人材を確保したい場合は、人材紹介会社の活用 も有効です。特に、専門スキルを持つ経験者採用(エンジニア・マーケター・営業職など)では、求職者データベースを活用してターゲット層に直接アプローチ できる点が強みです。
人材紹介会社を活用するメリット
・採用工数の削減:求人広告の掲載や母集団形成が不要
・ターゲットに合った候補者とマッチング可能
・採用成功型の報酬体系(成功報酬型):無駄なコストを抑えられる
一方で、採用成功時に年収の20~35%の手数料 が発生するため、採用単価を事前に計算しておくことが重要です。
採用コンサルタント
採用戦略そのものを見直したい企業には、採用コンサルタント の支援が適しています。コンサルタントは、企業の採用課題を分析し、ターゲット設定や採用手法の最適化を支援してくれます。
採用コンサルタントを活用するメリット
・採用市場のトレンドを活用できる(最新の手法を導入可能)
・採用プロセス全体の見直しができる(無駄なコストや工数を削減)
・中長期的な採用計画の設計が可能
採用活動がうまくいかない原因が分からない場合は、コンサルタントの知見を活用することで、より戦略的な採用を実現できます。
まとめ
採用活動を効率化する方法は、採用代行(RPO)のほかにも、採用管理システム、人材紹介会社、採用コンサルタントなど、複数の選択肢 があります。それぞれの特徴を理解し、自社の課題に合った手法を選ぶことが、採用成功への近道となります。
採用代行だけに依存するのではなく、デジタルツールの活用や専門家の知見を取り入れることで、より効果的な採用戦略を構築 していきましょう。