新卒採用の適正な採用単価とコスト削減の施策

採用活動は組織投資のなかでも重要な位置を占めるものです。そのため採用には時間、労力、お金のすべてにおいて妥協しないように計画することが重要です。

しかし、だからこそ無駄なコストは抑えつつ少しでも確度の高い採用活動を実現したいと願うのが経営者であり、採用担当です。特に新卒採用は中途採用に比べて採用単価こそ低いものの、中途より採用枠が多く、全体的なコストは中途を上回る場合があります。
今回は新卒採用における採用単価をいかに抑えつつ、クオリティの高い人材を確保するかについてご紹介します。

▼採用単価とは?

採用単価とは一人の人材を採用するためにかかった費用のことを指します。

全体の採用コスト÷実際に採用した人数

採用単価(コスト)には2種類あります。

■外部コスト

母集団形成をするためにかかった広告費、説明会実施の会場費、人材紹介手数料(イベント送客等を含む)など、外部サービスの利用にかかったコストです。

■内部コスト

採用活動にかかる人件費、内定者の研修費など、社内リソースを用いた際にかかったコストのことです。リファラル採用における社員へのインセンティブもこちらに含まれます。

▼新卒1人の採用にかかる採用単価の平均は48万円

『2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査』によれば、新卒の平均採用単価は48.0万円となっています。前年度の数字と比較すると、2018年卒の平均採用単価は53.4万円で5.4万円下回る結果となっています。
そのため一般的な適正単価は50万あたりということになります。

▼新卒採用にかかる費用における最大のネックは広告費

採用単価のうち、最も割合を占める費用は募集を呼びかける広告費です。その割合はおよそ50%ほどと言われており、次いで紹介手数料になります。
例えばナビサイトなどで募集をする場合、代表的なものは120万円ほどかかります。さらに募集ページや機能を充実させるとなると200万円近くの予算を割く必要があります。

▼採用単価を抑えつつ、新卒採用を成功させる施策

〇SNS・動画の活用でコストを抑える

最近ではSNSが採用でも注目を浴びています。その背景には、デジタルネイティブ世代が就職時期に差し掛かっているという点が挙げられます。

SNSを活用する例として、公式アカウントからの求人情報をfacebookやtwitter経由で流す手法があります。他にも、LINEユーザーの就活性が多いことからLINE@をつかった採用方法が導入され始めています。LINEは企業プロモーションだけでなく、動機付けとしての企業ブランディングやエンゲージメントに特化した内定辞退防止にも活用できるという特徴があります。

また動画はプロモーションはもちろんのこと、自社説明会をオンラインで配信するという応用も利かすことができます。

無料で使えるサービスに学生が集中しているということを考えれば、これらのサービスを駆使して企業側から積極的にアプローチすることが最終的なコスト削減につながるのは明白です。

〇ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングの中には、学生と直接会って自社選考に招くリクルーターやサイトを経由して学生に説明会に来てもらうようスカウトを送るスカウト型採用が当てはまります。

メリット:スカウト型は人材紹介とは異なり、外部に委託することなく学生とのアプローチ、その後の管理をすべて自社側で負担するため内定承諾を成果地点として成果報酬40万円前後でサービスを展開しているものが多いです。

デメリット:ダイレクトリクルーティングは外部コストを限りなく抑えることができ、時間も中継にかかる時間も省くことができます。しかし裏を返せばその分だけ自社リソースを割り当てる必要があるということです。よく説明会にエントリーさせるためだけにスカウトを使う企業がありますが、本当に大事なのは学生が参加した後の動機付けです。

中途半端なダイレクトリクルーティングは成果を生まないまま採用単価を上げてしまいます。

〇リファラルリクルーティング

社員が知人や友人に自社選考を紹介する採用方法です。アメリカではほとんどの企業が導入しており、日本でも新卒採用で試験的に導入され始めている採用方法です。

メリット:一番の特徴は圧倒的なコスト削減と優秀な人材確保のバランスがとれていることです。インセンティブを設定することで社員が自社に合いそうな人材を自発的に選考に招待するようになります。また友人という立場から求人サイトには登録していない隠れ人材との接点を持つことができるという利点があります。

デメリット:社内でリファラル採用を制度化しなければならないことが挙げられます。誰でも紹介できるわけではないため、自社に適した人材を見つけるための基準を全員に共有しなければなりません。また、もともとのリファラルが中途採用あるいはジョブ型雇用を基盤としていることから新卒採用で同じように機能するかは未知数であることもリスクでしょう。

▼かんりくんは採用単価削減にも活用できる

採用一括かんりくんは採用単価を直接さげる機能はないものの、採用コストを見直す際に効果を発揮します。

〇経路別で内定率を可視化できる

ナビ、紹介、スカウトなど複数の媒体を一括に管理することができるだけでなく、蓄積されたデータからどの経路からの内定率が低いかを分析することができます。
費用対効果が悪い経路を見直すことで最終的な採用単価をさげることができます。

〇LINEを採用管理画面で使えるから安心・便利

また、採用で注目されているLINEもかんりくんのなかで機能が完結しているため、新たにSNSの検討をすることなく学生への密なコミュニケーションが図れます。
少ない労力で確度の高い採用を行うことができれば内部コストが安く済み、間接的に採用単価を下げることにつながるでしょう。

▼まとめ

広告費をいかに抑えることが、採用単価を大きく下げることにつながることは理解していただけたと思います。

今ではSNSという新しいアプローチ媒体ができたことから新たな採用方法が注目されています。またリファラルという社員全員を巻き込んだ手法も新卒採用でどのように適応していくのかも動向を探る必要があるでしょう。