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【2025年版】SNSを新卒採用で使うメリットとは?活用法・対策・成功事例まで徹底解説!

【資料で学ぶ】採用におけるLINE活用とは?

目次

SNS採用とは

SNS採用とは、企業がX(旧Twitter)、Instagram、Facebook、LINE、YouTube、WantedlyなどのSNSを活用して採用活動を行う手法のことです。従来の採用手法と異なり、求職者が積極的に情報を探すのではなく、企業が自社の魅力を発信しながら潜在層を含めた幅広い求職者と接点を持てる点が特徴です。SNS採用では、企業のブランディングや認知度向上、候補者とのコミュニケーション強化が可能であり、特に若年層の採用において効果を発揮します。近年、就活生の情報収集手段が変化し、企業の公式Webサイトや就職情報サイトよりもSNSを活用するケースが増えていることも背景にあります。総務省の調査によると、13歳~39歳の若年層の9割以上が何らかのSNSを利用しており、そのうち6割以上が「知りたい情報を探す手段」として活用しているとされています。

このような環境の変化により、企業がSNSを活用して採用情報を発信し、候補者と直接コミュニケーションを取ることは、今後の採用戦略において欠かせないものとなるでしょう。

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SNS採用の特徴

SNS採用の最大の特徴は、従来の求人媒体とは異なり、求職者以外の潜在層にもアプローチできる点です。例えば、就職や転職をすぐには考えていないが、業界や企業に興味を持つ学生や社会人に対しても、SNSを通じて情報を届けることが可能です。そのため、将来的な候補者となり得る層と早期に関係性を築けるというメリットがあります。

また、コスト面でも大きな利点があります。求人広告や人材紹介会社を利用する場合、数十万円~数百万円の費用がかかることがありますが、SNSの運用は基本的に無料で行うことができます。企業がコンテンツを自社で作成・発信すれば、費用を抑えつつ、継続的に採用活動を行うことができます。

さらに、SNSを活用することで企業のリアルな雰囲気や文化を伝えやすくなります。例えば、Instagramでは社内の様子をビジュアルで伝えたり、X(旧Twitter)ではカジュアルなトーンで社員の声を発信したりすることで、求職者が企業に親しみを持ちやすくなります。このように、SNS採用は単なる募集手段にとどまらず、企業ブランディングやエンゲージメント向上にも寄与するのです。

新卒採用におけるSNSの活用トレンド

新卒採用では、SNSを活用する企業が年々増加しています。その背景には、学生の情報収集手段の変化があります。従来は就職サイトや企業説明会が主流でしたが、現在ではXやInstagram、YouTubeなどを活用し、企業のリアルな情報を得る傾向が強まっています。

特に、InstagramやTikTokでは「企業の雰囲気」や「働く社員のリアルな姿」を伝えるコンテンツが人気を集めており、企業のブランドイメージを自然に伝える手法として活用されています。一方、X(旧Twitter)では、企業が最新の採用情報をリアルタイムで発信したり、カジュアルな雰囲気で候補者と交流したりすることが可能です。

また、LINEを活用した採用施策も増えており、採用説明会のリマインドや個別メッセージでのフォローアップを行う企業もあります。これにより、求職者との関係性を維持しやすくなり、内定承諾率の向上にもつながるケースが見られます。

このように、新卒採用におけるSNSの活用は、情報発信だけでなく、求職者とのコミュニケーションツールとしても重要な役割を果たしています。企業は各SNSの特性を理解し、自社の採用戦略に適したプラットフォームを活用することが、効果的な採用活動につながるでしょう。

SNS採用が注目される背景

近年、多くの企業が採用活動にSNSを活用するようになりました。その背景には、求職者の情報収集の手段が多様化し、特にZ世代のSNS利用が急増していることが挙げられます。企業が従来の採用手法に加えてSNSを導入することで、より多くの候補者と接点を持ちやすくなり、採用ブランディングの強化にもつながるのです。以下では、SNS採用が注目される具体的な理由を解説します。

情報収集の多様化

従来の就職活動では、求人サイトや企業の公式Webサイト、合同説明会が主な情報源でした。しかし、インターネットとスマートフォンの普及により、求職者の情報収集方法は大きく変化しています。現在では、企業の口コミサイトやSNSを活用して、よりリアルな情報を得ることが一般的になっています。実際に、**株式会社マイナビが実施した「2023年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査」**によると、新卒学生の62.7%が就職活動においてSNSを情報収集手段として活用していることが分かりました(出典:マイナビ 2023年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査)。このデータからも、求職者が企業のSNSアカウントをフォローし、採用情報や企業文化をチェックしていることが伺えます。また、SNSでは企業の公式発表だけでなく、社員のリアルな声や職場の雰囲気を伝えることが可能です。例えば、Instagramで社内の様子を写真や動画で紹介したり、X(旧Twitter)で社員がカジュアルに採用情報を発信することで、求職者が企業に親しみを持ちやすくなります。

このように、求職者の情報収集手段が多様化する中で、企業がSNSを活用することは、より適切なターゲットにアプローチする上で不可欠な施策となっています。

候補者であるZ世代のSNS利用時間増加

Z世代(1990年代後半~2010年代前半生まれ)は、デジタルネイティブとして育った世代であり、スマートフォンやSNSを日常的に活用しています。特に、就職活動においてもSNSを利用する傾向が強くなっています。

**総務省の「令和4年通信利用動向調査」**によると、10代の1日のSNS利用時間は平均74分、20代は平均114分と、若年層のSNS依存度が非常に高いことが分かっています(出典:総務省 令和4年通信利用動向調査)。このことからも、Z世代にリーチするためには、企業が積極的にSNSを活用することが求められています。

また、Z世代は、従来の就職情報サイトや企業ホームページよりも、SNS上のリアルな情報を信頼する傾向があります。例えば、以下のようなSNS活用方法が新卒採用の場面で効果を発揮しています。

Instagram:企業の社風やオフィス環境を視覚的に伝えられるため、企業文化を理解しやすい

X(旧Twitter):カジュアルな雰囲気での情報発信や、就活生とのリアルタイムなコミュニケーションが可能

YouTube:社員インタビューや企業紹介動画を通じて、より深い情報を提供

LINE:個別のフォローアップや説明会のリマインドに活用し、応募率や内定承諾率の向上につなげる

さらに、**リクルートワークス研究所の「第41回ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」**によると、2025年卒の求人倍率は1.75倍と上昇傾向にあり、企業の採用競争が激化していることが分かっています(出典:リクルートワークス 2025年卒求人倍率調査)。このような状況下で、企業はより効率的に優秀な人材にアプローチする必要があり、SNS採用の重要性がますます高まっています。

新卒採用におけるSNS活用状況

新卒採用の現場において、SNSの活用は年々増加しています。特に、Z世代を中心とした若年層の求職者がSNSを主要な情報収集ツールとして活用していることから、企業側もSNSを積極的に取り入れる動きが進んでいます。しかし、学生と企業のSNS利用状況にはギャップがあり、企業が適切にSNSを活用できていないケースも少なくありません。本章では、学生と企業のそれぞれのSNS活用状況について詳しく解説します。

学生のSNS活用状況

近年、就職活動における情報収集手段としてSNSを活用する学生が増えています。**株式会社マイナビが実施した「2023年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査」**によると、新卒学生の62.7%が就職活動の情報収集にSNSを利用していることが分かりました(出典:マイナビ 2023年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査)。

また、PR TIMESの調査では、学生が就職活動で活用するSNSのランキングは以下の通りとなっています。

文章投稿型SNS(例:X/Twitter) 55.4%

写真投稿型SNS(例:Instagram) 51.1%

動画投稿型SNS(例:TikTok, YouTube) 40.7%

メッセージアプリのグループチャット(例:LINEオープンチャット) 35.7%

コミュニティ型SNS(例:Facebook, LinkedIn) 19.1%

この結果から、X(旧Twitter)やInstagramが就活生にとって重要な情報収集ツールになっていることがわかります。また、企業が採用活動でSNSを活用していることについて、約7割の学生が「業界や企業理解の参考になる」と肯定的な意見を持っているというデータもあります(出典:PR TIMES「半数以上の就活生が就職活動でSNSを活用する一方、企業のSNSの活用率は約3割」)。

このように、多くの学生が就職活動の情報を得るためにSNSを活用しており、企業がSNSを通じて自社の魅力を発信することは、採用活動の成功につながる重要なポイントとなっています。

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企業のSNS活用状況

一方で、企業のSNS活用状況にはまだ課題が残っています。PR TIMESの調査によると、新卒採用活動でSNSを活用している企業は全体の約3割にとどまっていることが分かりました(出典:PR TIMES)。これは、SNSを活用している学生の割合(約6割)と比較すると低く、学生の情報収集手段と企業の採用手法の間にギャップが生じていることを示しています。

また、企業が採用活動で活用するSNSのランキングは以下の通りです。

写真投稿型SNS(例:Instagram) 60.8%

メッセージアプリのグループチャット(例:LINE オープンチャット) 59.5%

動画投稿型SNS(例:TikTok, YouTube) 27.0%

文章投稿型SNS(例:X/Twitter) 27.0%

コミュニティ型SNS(例:Facebook, LinkedIn) 6.8%

このデータから、企業は主にInstagramやLINEを活用して採用活動を行っていることがわかります。しかし、学生が最も利用しているX(旧Twitter)は27.0%の企業しか活用していないため、SNS活用のミスマッチが生じていることが明らかです。

しかし、SNSの活用は企業の採用活動に大きなメリットももたらします。例えば、Instagramでは社内の雰囲気を視覚的に伝えられ、LINEでは個別の求職者フォローが可能です。SNSのメリットとデメリットを理解し、上手に活用することで企業の認知度向上や求職者とのエンゲージメント強化につながります。

次の章で、具体的な採用のメリット、デメリットに関して説明いたします。

SNS採用のメリット・デメリット

SNS採用は、企業の採用活動において近年急速に注目されている手法の一つです。特に若年層をターゲットにした採用活動においては、SNSを活用することで大きな効果が期待できます。しかし、その一方で適切な運用が求められるため、メリットとデメリットを正しく理解し、戦略的に活用することが重要です。


メリット①無料で始めることができる

SNS採用の最大のメリットの一つは、無料で利用できることです。企業の公式Webサイトや求人サイトに広告を掲載する場合、一定のコストがかかるのが一般的ですが、SNSの基本的な機能は無料で利用可能です。

例えば、InstagramやX(旧Twitter)では、企業が採用情報や社内の雰囲気を日常的に発信でき、コストをかけずに求職者との接点を増やすことができます。もちろん、有料広告を活用すれば、ターゲット層により効率的にリーチすることも可能ですが、まずは無料で運用を開始し、成果を見ながら広告戦略を検討することもできます。

メリット②潜在層など幅広い層へのリーチが可能

従来の求人サイトや人材紹介サービスでは、**就職・転職を考えている「顕在層」へのアプローチが主流でした。しかし、SNSを活用することで、まだ転職や就職活動を本格的に始めていない「潜在層」**にも情報を届けることが可能になります。

例えば、Instagramで企業のカルチャーや働く社員の姿を発信することで、大学1・2年生が企業に興味を持つきっかけを作ることができます。また、X(旧Twitter)やYouTubeでは、定期的な情報発信を通じて、将来的に転職を考えている人材にも企業の魅力を伝え続けることができます。これにより、長期的な人材プールの形成にもつながります。

メリット③企業の魅力が発信しやすい

SNSは、企業のリアルな魅力を求職者に伝えるのに適したツールです。求人サイトや企業ホームページでは、基本的な情報や公式発表が中心になりますが、SNSではより柔軟な表現が可能です。

例えば、以下のような活用方法があります。

Instagram:職場の雰囲気や社員の働く様子を写真や動画で伝える

X(旧Twitter):カジュアルな言葉で企業文化や採用情報を発信し、求職者との交流を深める

YouTube:社員インタビューや社内の1日ルーティンを紹介し、企業の雰囲気をより詳細に伝える

SNSを活用することで、求職者が企業に親しみを持ちやすくなり、入社後のミスマッチを防ぐ効果も期待できます。

メリット④拡散力が高い

SNSは、情報の拡散力が非常に高いツールです。特にX(旧Twitter)やTikTokでは、ユーザーが興味を持つ投稿が「バズる」ことで、短期間で数万~数十万人に情報が届くこともあります。

また、SNSの特性を活かして従業員が自社の魅力を発信することで、より自然な形で企業のブランディングが強化されるケースもあります。例えば、社員が「#働きやすい職場」などのハッシュタグをつけて投稿することで、求職者の目に触れる機会が増えます。

このように、拡散力の高いSNSを活用すれば、TVCMやWeb広告を使わずとも、多くの求職者に企業の存在を知ってもらうことが可能です。

デメリット①炎上リスクがある

SNSの最大のリスクの一つが炎上です。不適切な投稿や言葉の選び方によって、意図しない形で批判を受ける可能性があります。特に、センシティブな話題や価値観が分かれる内容に関しては、慎重な対応が求められます。

炎上を防ぐためには、以下のような対策が必要です。

投稿前のダブルチェック:SNS担当者だけでなく、広報や法務のチェックを受ける

投稿ルールの策定:企業として発信して良い内容・NGな内容を明確にする

炎上時の対応マニュアル:万が一の際の対応手順を事前に準備しておく

SNSは拡散力が高い分、誤った情報や炎上リスクを最小限に抑える管理が求められます。

デメリット②運用の知見や工数が必要

SNSは無料で始められるものの、効果的に運用するためには知見やリソースが必要です。例えば、ターゲットに刺さる投稿内容を考えたり、投稿の反応を分析して改善したりするには、一定のマーケティングスキルが求められます。

また、SNSは継続的な発信が重要なため、「投稿を作る時間が取れない」「運用する人材がいない」という企業にとっては負担になることもあります。そのため、以下のような工夫が必要です。

投稿カレンダーを作成し、定期的にコンテンツを用意する

SNS運用を専門とする担当者を設置する

社内でSNS活用のガイドラインを共有し、複数の部署で運用をサポートする

このような工夫を行うことで、SNS運用の負担を軽減しつつ、安定した発信を続けることができます。

デメリット③効果を感じづらい

SNS採用は、すぐに結果が出るものではなく、長期的な施策と捉える必要があります。特に、初めて運用を始める企業は、投稿を継続してもなかなか応募につながらないと感じることが多いです。

SNS採用の効果を最大化するためには、以下のポイントを意識すると良いでしょう。

KPI(重要指標)を設定する(フォロワー数、エンゲージメント率、応募数など)

ターゲット層に合ったSNSを選ぶ(若年層ならInstagramやTikTok、ビジネス向けならLinkedInなど)

他の採用施策と組み合わせる(SNSの投稿を求人サイトに誘導するなど)

SNSは「すぐに成果が出ない」と割り切り、企業ブランディングや採用の土台作りとして活用することが重要です。

SNS採用におすすめのプラットフォーム5選

本章では様々なSNSがある中でも採用におすすめのプラットフォームについて紹介します。

※利用ユーザー数に関しては媒体各社の公表データをもとに記載しております。

X(旧Twitter)

ユーザー数:国内約4500万人

140字の字数制限があり、日常の気軽に投稿できることや匿名性が高いことが特徴です。採用においては、人事担当者がアカウントを作成したり、企業で採用アカウントを作成するといった手法で活用されています。

Facebook

ユーザー数:国内約2600万人

学校の同級生や会社の人などの交友関係が反映されており、実名、学校や経歴などを登録しているユーザーが非常に多いことも特徴です。また、若年層の利用は少ない傾向にあります。

Instagram

ユーザー数:国内約3300万人

画像もしくはショート動画などで気軽に発信できビジュアル要素が高いことが特徴です。

採用においてはブランディング要素が強く、会社の風景や社員紹介などを掲載する企業が 多いようです。

LINE

ユーザー数:国内約9500万人

国内で一番利用者数の多いSNSがLINEです。コミュニケーションに特化したSNSですが、友達追加していない人とのやり取りはできないのが特徴です。

採用においては、企業の公式アカウントを作成し、選考中のエントリーを促すなどして歩留まりの改善のために利用する企業が増えました。

YouTube

ユーザー数:国内約7000万人

 YouTubeは動画メインのSNSです。採用においては、企業紹介動画や社員インタビューを 掲載している企業が増えてきました。

SNS採用を始める前に押さえておくべきポイント

SNS採用は、企業の採用活動において効果的な手法ですが、適切な準備なしに始めると期待した成果を得ることが難しくなります。特に、長期的な運用を前提に計画を立てることが重要です。本章では、SNS採用を成功させるために、事前に押さえておくべきポイントについて解説します。

SNS採用の目的を明確にする

SNS採用を始めるにあたって、まず明確な目的を設定することが重要です。SNSの活用目的が曖昧なまま運用を開始すると、方向性が定まらず、成果を測定しづらくなる可能性があります。

目的を決める際には、以下のような視点から検討すると良いでしょう。

企業認知度の向上:学生や求職者に自社の存在を知ってもらい、興味を持ってもらう

応募者数の増加:SNSを通じて企業文化や魅力を伝え、エントリーへとつなげる

ミスマッチの防止:職場のリアルな雰囲気を発信し、企業理解を深めてもらう

採用ブランディングの強化:企業の価値観やカルチャーを求職者に発信する

また、ターゲット層によって利用するSNSも変わるため、どのSNSを活用すべきかを決めることも重要です。例えば、新卒採用ではX(旧Twitter)やInstagramが効果的である一方、ビジネス層向けの採用ではLinkedInが有効です。

ペルソナ設計や企業の魅力の洗い出しを行っておく

SNS採用では、発信するコンテンツが求職者に響かなければ、フォローされずに終わってしまう可能性があります。そのため、事前にターゲット(ペルソナ)を設定し、自社の魅力を洗い出すことが必要です。

①ペルソナ設計

企業が求める理想の人材像を明確にすることで、SNSで発信すべきコンテンツが見えてきます。例えば、新卒採用をターゲットにする場合、以下のような情報を整理すると良いでしょう。

ターゲット層の属性:大学生・大学院生・専門学生など

興味・関心:どのような業界や職種に興味があるのか

SNSの利用傾向:どのSNSを主に使用しているのか

②企業の魅力を洗い出す

企業の魅力を正しく伝えるためには、どのような点が求職者にとって魅力的なのかを把握することが重要です。例えば、以下のような視点から整理できます。

社風や企業文化(働きやすさ、チームワーク、自由な発想を尊重する環境など)

キャリアパス(若手でも挑戦できる環境、研修制度の充実など)

福利厚生・待遇(リモートワーク可、フレックス制度、社内イベントなど)

社員の声(先輩社員の働き方やキャリア成長の実例)

このように、求職者が関心を持つポイントを事前に整理し、それに基づいたコンテンツを作成することがSNS採用の成功につながります。

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運用チームの編成とガイドラインの作成

SNS採用は、単発の施策ではなく長期的な運用が必要なため、適切な運用体制を構築することが欠かせません。そのため、運用チームの編成とガイドラインの作成が重要になります。

①運用チームの編成

SNS採用は、単に情報を発信するだけでなく、コメントへの対応や効果測定なども含まれるため、複数の担当者で役割分担を決めることが望ましいです。

例えば、以下のように役割を分担するとスムーズに運用できます。

コンテンツ企画担当:投稿内容のアイデア出し、コンテンツ制作

投稿・運用担当:SNSへの投稿、コメント対応

分析・改善担当:投稿のエンゲージメント分析、運用方針の見直し

また、SNSはリアルタイム性が求められるため、急な問い合わせやトレンド対応にすぐに動ける体制を整えることが重要です。

②ガイドラインの作成

SNSは発信の自由度が高い反面、誤った発言や投稿が炎上を招くリスクもあります。そのため、企業として一貫した情報を発信するために、投稿ルールを明確にしたガイドラインを作成することが必要です。

ガイドラインには以下のような項目を盛り込むと良いでしょう。

発信する内容の範囲(採用情報、社員インタビュー、社内イベントなど)

使用する言葉のトーン&マナー(カジュアル・フォーマルなど)

禁止事項(機密情報の漏洩、不適切な発言、誤情報の発信など)

炎上対策(トラブル発生時の対応フロー)

これらのルールを明確にすることで、統一感のある情報発信が可能になり、リスク管理もしやすくなります。

【成功事例7選】SNS採用を活用した企業の実例紹介

本章では実際にSNS採用をしている12社の事例を紹介します。成功企業の発信内容や各SNSの活用方法を確認し、自社の採用活動の参考にしましょう。

X(旧Twitter)の活用事例
  

株式会社ディー・エヌ・エー

本選考や、インターンシップ、若手座談会などの告知・集客に活用しています。

テレビ東京

インターンシップや説明会の告知を行い同社の採用活動を知ることができるアカウントとなっています。

Instagramの活用事例

アンファー株式会社

内定者・新卒・中途社員の紹介などを通して、職場の雰囲気を知ることが出来る内容を発信しています。

HRクラウド株式会社

実際に働く社員や福利厚生に関する情報を発信。Instagramならではの「ビジュアル訴求」によって、社風を伝えつつ企業理解度の向上にも成功しています。

TikTokの活用事例
  

大京警備保障株式会社

業務とは一見関係のない投稿” を行い、現在ではフォロワー2万9,000人以上を誇る人気アカウント。TikTokからの応募で入社も決定しています。

参考:TikTokで採用を実現!社員平均年齢は50代、警備会社の「TikTokのトレンドに合わせる」したたかな戦略<大京警備保障株式会社インタビュー>

YouTubeの活用事例
  

株式会社ボールド

  現在行っている事業や、エンジニアのキャリア、業界固有の市場などについて解説。会社の魅力を理解しつつ、業界のインプットも同時に行うことができます。

タカマツハウス株式会社

現場社員が登壇し、1-3分ほどの社員インタビューを動画にしています。社員の人柄や、具体的な仕事内容も理解することができます。

SNS採用を成功させるための4つのポイント

SNS採用は単に情報を発信するだけでは効果が出にくく、戦略的な運用が求められます。成功させるためには、明確なKPI設定、ファンづくり、継続的なコンテンツ発信、そして影響力のある人材の活用が重要です。ここでは、SNS採用を効果的に運用するための4つのポイントを解説します。

SNS採用のKPI設定と効果測定

1つ目はSNS採用のKPI設定と効果測定を行うことです。

SNS採用の成果を測定するためには、KPI(重要業績評価指標)を明確に設定し、定期的に分析を行うことが欠かせません。KPIを設定しないまま運用すると、何が成功要因なのかが不明確になり、最適な改善策を見出しにくくなります。

「ファンづくり」を意識した運用をする

2つ目は「ファンづくり」を意識した運用をすることです。

SNS採用では、単なる情報発信にとどまらず、企業の「ファン」を増やすことを意識することが重要です。企業に関心を持つ潜在層の求職者に対して、継続的に魅力的な情報を届けることで、エンゲージメントの高い候補者を育成できます。

ファンづくりのために意識すべきポイントは以下の通りです。

・企業の価値観や文化を発信する:求職者は、給与や業務内容だけでなく、企業のビジョンや社風にも関心を持っています。社員インタビューやオフィスの雰囲気を伝える投稿を行うと効果的です。

・求職者とのコミュニケーションを活発にする:コメントやDMに積極的に返信し、カジュアルな対話を通じて企業への親近感を持たせる。

・ストーリーテリングを活用する:単なる募集情報ではなく、社員のキャリアパスや成功事例をストーリー形式で発信することで、より共感を得られます。

ファン化が進むと、企業の投稿に対するエンゲージメントが向上し、情報が自然に拡散されやすくなります。結果的に、SNSを通じた応募率の向上につながります。

継続的なコンテンツ発信を行う

3つ目は継続的なコンテンツ発信を行うことです。SNSのアルゴリズムでは、定期的に情報を発信するアカウントが上位に表示されやすくなります。そのため、継続的なコンテンツ発信を行うことがSNS採用の成功には欠かせません。

例えば、以下のような投稿内容を組み合わせることで、バランスの取れたコンテンツ運用が可能になります。

・採用情報の告知:募集要項や採用スケジュールを定期的に発信

・社員の紹介・インタビュー:社内の雰囲気や働く社員のリアルな声を伝える

・企業文化やミッションの共有:ビジョンや価値観を発信し、求職者の共感を得る

・イベント・説明会情報:オンライン・オフラインのイベント情報を積極的にシェア

・Q&A・求職者向けアドバイス:就活生が気になる疑問を解決するコンテンツを提供

企業のリソースに応じた最適な投稿頻度を設定し、無理なく継続できる体制を整えて取り組みましょう。

インフルエンサーや社内アンバサダーの活用を検討する

4つ目はインフルエンサーや社内アンバサダーの活用を検討することです。インフルエンサーや社内アンバサダーはフォロワーとの間に信頼関係を築いている場合が多く、彼らからの情報は一般の広告よりも信頼されやすい傾向があるためです。特に社内アンバサダーの場合、社員のリアルな声として求職者に届くため、企業の雰囲気が伝わりやすく、親近感を抱かせることができるでしょう。

また、インフルエンサーは特定の分野や属性のフォロワーを多く抱えているため、「就活アカウント」など候補者をターゲットにしたインフルエンサーを活用することで企業が求める人材層に直接的にアプローチできることもあるでしょう。

【まとめ】

SNS採用は、新卒採用市場においてますます重要性を増しています。特に、Z世代を中心とした若年層が主要なターゲットとなる新卒採用においては、求職者の情報収集手段としてSNSの影響力が非常に大きいため、企業にとって欠かせない手法となりつつあります。

しかし、SNS採用を成功させるためには、目的を明確にし、ターゲットに適したプラットフォームを選択し、継続的な運用を行うことが重要です。SNSは企業の規模を問わず活用できる手法であり、適切に運用すれば、中小企業でも十分に成功を収めることができるので、是非この機会に検討してみてください。