ホーム » 未分類 » よくある採用課題とは?一覧・解決策まで網羅する完全ガイド

よくある採用課題とは?一覧・解決策まで網羅する完全ガイド

【無料DLテンプレ】採用フレームワークシート

採用活動においてや「応募が来ない」、「辞退が多い」、「そもそも時間が足りない」といった課題に直面している企業は少なくありません。
特に近年は、人材獲得の競争が激しさを増しており、採用活動の難易度は年々高まっています。そこで本記事では、採用にまつわる代表的な課題を整理し、その背景や具体的な解決策と、さらに企業の成功事例までを網羅的にご紹介します。

目次

採用課題とは

「採用課題」とは、人材を確保する過程で直面する問題やボトルネックの部分を指します。
例えば、「応募者が集まらない」や「選考辞退が多い」、「採用担当者のリソースが足りない」といった課題が挙げられます。採用活動は、母集団形成から内定承諾までさらには入社後の定着など、多岐にわたるプロセスを含みます。
それぞれのフェーズに課題が潜んでいるため、「うまくいかない」という漠然とした感覚だけでなく、課題を具体的に言語化し段階ごとに整理することが重要です。

採用課題が深刻化する背景

では、なぜこれほどまでに採用課題が複雑化・深刻化しているのでしょうか。
その背景には、次のような社会的・市場的要因が関係しています。

応募者心理・手法の多様化

1つ目の背景は、応募者心理と手法の多様化です。求職者の就職(転職)活動は、ここ数年で大きく変化しました。かつては求人媒体に掲載すれば自然と応募が集まりましたが、現在ではSNSやスカウト、口コミサイトなど多様な情報源を活用して企業を比較ならびに検討している方が多くいます。
そのため、企業側は「情報発信力」や「魅力付けの工夫」がますます求められるようになっています。

少子高齢化による働き手の減少

2つ目の背景は、少子高齢化による働き手の減少です。日本では少子高齢化が急速に進んでおり、社会を支える働き手(労働人口)が年々減り続けています。

人材の「数」が限られている中で、企業間の人材獲得競争はますます激しくなっています。特に新卒や若手人材の採用においては、採用活動の設計そのものを見直さなければ、応募者が集まらない可能性も出てきています。

このような状況に対応するためには、企業は選ばれる側という視点に立ち、自社の魅力を高める取り組みが不可欠です。

採用課題を放置してしまうと、応募数の減少だけでなく、選考辞退や内定辞退の増加、さらには離職率の上昇や採用単価の悪化といった“負のスパイラル”に陥る可能性があります。

採用課題の分け方

採用課題は一見複雑に見えますが、状況把握や改善策の立案をスムーズにするため、大きく2つの軸で整理できます。

企業が直面する採用の課題は、業種や地域、採用ターゲットによって多様ですが、本質的には以下の2つのカテゴリに分けられます。

  • 採用リソースが不足しているケース
  • 転換率(選考通過〜内定承諾)の改善が必要なケース

これら2つの課題はそれぞれに特徴がありますが、互いに影響し合っています。

たとえば、採用担当者の工数が足りないことでフォロー体制が整わず、結果的に面接辞退や内定辞退が増えてしまうなど、片方の課題がもう一方を引き起こすこともあります。

まずはそれぞれの課題の特徴を見ていきましょう。

採用課題をさらに細かく整理したい方は、以下のリンクもご参照ください。

👉 より詳しい施策や分類は、 採用を成功に導く、採用課題/施策100 をご覧ください。

① 採用リソースが不足しているケース

まずは、採用リソースが不足しているケースです。

「専任の採用担当者が1人だけ」や「人事業務と兼務しており、採用に割ける時間が少ない」など、体制や工数の不足により採用活動が十分に回らないという課題です。

このような状況では、媒体選定や原稿作成、スカウト、面接調整、内定者フォローまで、すべてを少人数でこなすことになり、時間的にも心理的にも負荷が高まります。

さらに、採用計画の立案や振り返りが後回しになり、同じ課題が繰り返されるという悪循環に陥りがちです。

採用リソースが不足していると、「そもそも施策が打てない」状態や「改善ができない」状態に陥るため、最初に整えるべき重要な土台といえるでしょう。

② 転換率(選考通過〜内定承諾)の改善が必要なケース

つぎは、転換率(選考通過〜内定承諾)の改善が必要なケースです。

「応募数は一定数集まっているのに、面接辞退や内定辞退が多く、思ったように採用数が伸びない」という課題です。

このケースでは、採用プロセスのどこかで候補者との接点が弱くなっていたり、訴求力が不足していたりする可能性があります。たとえば、連絡が遅いことや面接官の対応に温度差がある、魅力づけができていないなど、小さな接点の積み重ねが離脱につながっている場合も多く見られます。

また、この課題は、採用のリソース不足と組み合わさっていることも多く、採用担当者が忙しすぎてフォローに手が回っていないことや内定後のクロージングが甘いといった点が原因になっているケースもあります。
このように、採用課題を「リソースの問題」と「プロセスの問題」という2軸で整理することで、自社の課題がどこにあるのかを把握しやすくなります。

次章では、この2軸をもとに、具体的な採用課題をどう見つけていくかを解説していきます。

採用課題の見つけ方

採用課題を解決するには、まず「どこに課題があるのか」を正確に把握することが欠かせません。
漠然と「うまくいっていない」という感覚だけでは、的外れな施策を繰り返すことになり、結果として目標未達のまま時間だけが過ぎてしまう可能性があります。

前述の通りに採用課題は、「採用リソースの不足」と「転換率の改善」の2つに集約できます。本章では、それぞれの見つけ方をご紹介します。また、「自社採用はどちらの課題タイプに近いのか?」や「次にやるべき打ち手は何なのか?」など、より詳しく採用課題の整理をしたいと感じた方は、ぜひ下記資料を参考にしてみてください。

採用リソース・転換率の両軸から「よくある課題と有効な施策」を100個記載しております。課題の整理から解決施策のヒントまで、一気に確認できる内容です。ぜひダウンロードしてご活用ください!

👉 採用を成功に導く、採用課題/施策100

採用リソース不足の見つけ方

まずは、自社の採用活動における現状を可視化し、リソースに関する課題を明確にすることが第一歩です。
その理由は、たとえ課題が明確であっても、それに対応する時間と人材、ツールが不足していれば、施策を実行に移せず、計画倒れに終わるリスクがあるためです。そもそも「課題の解決に取り組む余裕がない」という状況も珍しくありません。以下のステップに沿って、どの部分にリソースの不足があるかを洗い出しましょう。

ステップ1:各選考ステップの所要時間を記録する

公募準備や応募者対応、書類選考、面接準備など、すべての採用プロセスを細分化し、それぞれにかかる平均時間や最大時、最小時間を記録します。

ステップ2:採用コストを洗い出す

求人広告費や人材紹介会社への手数料、採用イベントの費用などの外部コストだけでなく、採用担当者の人件費といった内部コストも明示しましょう。
また、使用しているツールについては、費用対効果や使い勝手を検証し、最適かどうかを評価することが大切です。こうしたステップを踏むことで、特定の工程に時間がかかりすぎていないか?や想定以上にコストがかかっていないか?、使用しているツールが自社に合っているか?などといった改善ポイントを明確にできます。

転換率が落ちているフェーズの見つけ方

次に、応募〜内定承諾までの転換率を改善したい場合の課題発見方法をご紹介します。
転換率向上には、採用プロセス全体を可視化してどのフェーズで候補者が離脱しているのかを把握することが欠かせません。なぜなら、プロセス全体を見渡すことで、リソースの集中投下が必要なポイントを特定できるからです

ステップ1:選考プロセスをフローに書き出す

母集団形成から最終選考、内定までの流れを時系列で明確に書き出しましょう。

ステップ2:各ステージのデータを収集する

応募者数や書類通過者数、一次面接通過者数、内定承諾者数など、各ステージごとの数値を集めて転換率を算出します。
これにより、どの段階で候補者の離脱が多いのかどこを優先的に改善すべきかといった具体的な課題を見つけ出すことができます。
このように、「採用リソースの可視化」や「プロセスごとのデータ把握」を行うことで、施策の精度は大きく向上します。
次のセクションでは、こうした課題をさらに具体的に掘り下げ、「よくある6つの採用課題」とその解決策を詳しく解説いたします。

主要な6つの具体的な採用課題と解決策

上記にて述べたとおり、採用課題は大きく「採用リソースの不足」と「転換率の改善」の2つに集約できます。
ここではこの2軸の中でも、さらに具体的によく見られる6つの課題を取り上げ、それぞれの背景や見つけ方、改善のヒントをご紹介します。

① 応募が集まらない(母集団形成)

最も多くの企業が直面しているのが、「そもそも応募が来ない」という母集団形成の課題です。
応募者が集まらなければ、選考やマッチングも成り立たず、採用の土台そのものが揺らいでしまいます。

解決策① 採用媒体・手法の見直し

現在使用している求人媒体が、自社のターゲット層とマッチしているかを再確認しましょう。
媒体ごとに得意とする属性は異なるため、複数チャネルの活用や手法の幅を広げることで、新たな層へのリーチが可能になります。

解決策② 求人票の情報量の見直し

求人票は、求職者にとっての“企業の第一印象”です。仕事内容や職場の雰囲気、キャリアアップの可能性など、候補者が知りたい情報が過不足なく盛り込まれているかを確認しましょう。

解決策③ SNSの活用

企業のSNSアカウントで日常の社内風景や社員の声を発信することにより、共感や親近感を醸成できます。
とくに若年層においては、採用広報の有効な手段としてSNS活用の効果が高まっています。

② 求める人材がいない(応募者の質)

「応募はあるけれど、理想に近い人材に出会えない」という課題もよく耳にします。
この場合は、求人の打ち出し方や選定したアプローチ方法にズレがある可能性があります。

解決策① 求人情報の記載見直し

抽象的な表現や曖昧な条件では、ターゲットとなる人材に届きません。
必要なスキルや経験、求める人物像を具体的に記載し、ミスマッチを防ぎましょう。

解決策② 求職者にとっての魅力を明確に伝える

優秀な人材ほど、「自分にとって意味のある職場かどうか」を重視します。キャリア成長の機会や評価制度、働き方など、候補者視点でのメリットを打ち出すことが重要です。

解決策③ スカウト・ダイレクトリクルーティングの活用

ターゲットとなる人材に直接アプローチできるスカウト手法も有効です。文面の工夫や送信タイミングなどを最適化することで、返信率改善と歩留まり向上につながります。

③ 面接辞退が多い

ようやく応募があったにもかかわらず、面接前に辞退されてしまうケースもあります。
このようなときは、「面接までたどり着けない理由」が候補者側に潜んでいる可能性があります。

解決策① 選考回数・スケジュール設計の見直し

選考回数が多すぎたり、日程の候補日に柔軟性がなかったりすると、候補者がスケジュール調整に困り離脱してしまいます。短期間かつスムーズに進められる設計が求められます。

解決策② 連絡スピードの改善

企業からの連絡スピードは、候補者のモチベーション維持に直結します。返信が早い企業は信頼されやすく、辞退率の低下にもつながります。

解決策③ カジュアル面談の導入

「まずは話を聞いてみたい」という層に対しては、カジュアル面談が効果的です。
リラックスした場で会社の雰囲気を伝え、選考意欲の醸成につなげましょう。

④ 内定辞退が多い

せっかく選考を進めて内定を出したとしても、「他社に行くことにしました」と辞退されてしまったケースも少なくありません。
原因として、企業への納得感や信頼感の不足が挙げられます。

解決策① 面接段階での魅力付け

内定前の段階で、「この会社で働く価値がある」と感じてもらえるような魅力付けが重要です。ビジョンや成長の機会を伝えることで、内定辞退を防ぎます。

解決策② 口コミサイト対策と信頼の構築

求職者は口コミサイトを通じて企業の実態をチェックしています。
ネガティブな評価が目立つ場合は、社内改善と並行して、ポジティブな社員の声を外部に発信するなど、信頼構築に努めましょう。

解決策③ 内定者フォローの強化

内定後に企業からの連絡が途絶えると、候補者は不安を感じやすくなります。
定期的な連絡や懇親会などを通じて関係性を築き、辞退を防ぎましょう。

⑤ 入社後の定着率が悪い

採用が決まっても、早期離職されてしまっては採用コストが無駄になってしまいます。
この背景には、入社前の期待値と現実のギャップがあることが多いです。

解決策① 求人票の情報を充実させる

実際の業務内容や働き方、評価制度など、リアルな情報を事前に提供することで、入社後のギャップを防げます。

解決策② 入社前後の期待値のすり合わせ

内定や入社時に丁寧な面談を実施し、候補者と企業の双方で期待のズレを解消しておくことで、早期離職の防止につながります。

⑥ 採用に工数をかけられない

日々の業務に追われ、採用に割ける時間や人手が限られているという企業も多いです。

この状況は、採用精度の低下や選考の遅れと直結してしまいます。

解決策① 採用フローの見直し

まずは現在の採用プロセスを棚卸しし、不要な工程の削除や自動化できる部分を洗い出しましょう。業務の最適化が可能になります。

解決策② 採用管理ツールや採用代行サービスの活用

ATS(採用管理システム)やRPO(採用代行)を活用することで、煩雑な業務を効率化できます。限られたリソースでも、高品質な採用を実現できる体制が整います。

採用課題を解決した企業事例

採用課題の解決策として、ATS(採用管理システム)の導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。
とはいえ、「便利そうだけど、自社に合うのか不安」や「導入しても本当に効果があるのか?」といった声もよく伺うことがあります。

そこで本章では、実際に「採用一括かんりくん」を導入してくださり、採用課題を解決した企業の成功事例をご紹介します。
採用管理システムの活用方法や導入前後の変化を具体的に知ることで、「こう使えば効果が出る」というリアルなイメージを持っていただけるはずです。

事例1|株式会社 識学

~複数チャネルの応募管理を効率化し、人事の時間を創出した事例~

株式会社識学は、約228名の従業員規模の、人の意識構造に着目した独自の理論『識学』をベースにした、組織・マネジメントコンサルティングサービスを提供している企業です。

「採用一括かんりくん」導入の背景には、複数の求人媒体を利用していたことに伴う業務工数の削減ニーズがありました。導入前はスプレッドシートで応募情報を管理していたため、応募経路ごとの管理が煩雑になり、情報も散在していたとのことです。

導入の決め手となったのは、充実したサポート体制でした。同社は「ユーザーの声と共に成長するシステム」と感じ、単なる採用課題を解決するツールではなく、ユーザーからのフィードバックをもとに進化を続ける姿勢を高く評価されました。

導入後の成果としては、課題であった採用工数の削減に加え、社内での分業体制を明確化できたことが挙げられます。その結果、採用マーケティングに注力する余地が生まれました。たとえば、インターンシップや説明会の構成を企画し、どのように候補者を集め、選考につなげていくかといった施策にも取り組まれています。

労働人口の減少により採用が年々難しくなっている現代において、「採用一括かんりくん」の活用により、採用課題の改善にとどまらず、より質の高い採用活動の実現が可能となっています。

事例2|株式会社 メディロム

~歩留まり改善に向け、学生一人ひとりに対応できる体制を構築~

株式会社メディロムは約979名の従業員規模のヘルスケア総合商社です。

「採用一括かんりくん」導入の背景には、採用目標の増加に伴う業務効率化の必要性と、採用難の状況下でいかに効果的に候補者へ対応するかという課題がありました。
応募者数が4桁に達し、さらに専門職の採用も急増する中で、効率的な候補者管理を実現し、学生としっかり向き合う時間や、企業の魅力を伝える時間を確保したいという思いが導入のきっかけとなりました。

導入後は、候補者一人ひとりに合わせた「パーソナライズドリクルーティング」が可能となりました。具体的には、学生の学部や所属団体に応じて、メールやLINEで配信するコンテンツを変えるなど、個別最適なコミュニケーションを行うことで、反応率の向上につながっています。

成果としては、大幅な業務工数の削減に加え、エントリーから説明会への参加率が向上しています。
たとえば、従来はZoom説明会の設定や登録作業に月1時間程度かかっていたものが、現在では数分で完了するようになり、空いた時間を候補者対応に充てることができるようになりました。

さらに、学生にとって身近なコミュニケーションツールであるLINEを活用することで、候補者の「最後の一押し」や動機形成にも寄与しており、学生の熱量を維持したままアプローチすることができています。その結果、エントリーから説明会参加までの率が大幅に高まっているという声もいただいています。

事例3|株式会社 Hajimari

~アナログ管理から脱却し、効率と改善精度を向上させた事例~

株式会社Hajimariは、約128名の従業員を擁する、IT・Web・通信・インターネット業界の企業です。

もともとスプレッドシートを用いて採用管理を行っていましたが、「採用一括かんりくん」導入の背景には、採用業務に多くの工数がかかっていたことや、進捗管理がうまくできておらず、採用全体のスピード感が落ちていたという課題がありました。

導入の決め手となったのは、採用フローの柔軟性と、幅広い分析機能です。これにより、自社の採用プロセスに合わせた運用が可能となり、実際に導入いただきました。

導入後は、経路別の推移率の差を一目で把握できるようになり、課題を明確に可視化することで、改善アクションの質を高めることができています。

特に多くのエージェントを活用している同社では、各エージェントがどの程度の母集団を形成し、推移率にどのような差があるのかを把握できるようになりました。これにより、各エージェントに対して最適なアプローチを分析・実行できるようになっています。

また、採用活動においては「事実として把握すべきこと」や「今後に残すべき資産」としてデータを活用し、採用にとどまらず、会社全体の再現性を担保する取り組みへとつなげられています。

まとめ

採用課題は企業ごとに異なり、複数の要因が複雑に絡み合っているケースも少なくありません。
まずは、課題を言語化し、「採用リソースの不足」と「転換率の改善」という2軸で整理することで、対策の優先順位が明確になります。

本記事で紹介したフレームや課題の見つけ方を活用することで、限られた時間や人員の中でも、効果的な改善策を講じることが可能です。

人材獲得競争がますます厳しくなる今だからこそ、採用課題に真正面から向き合い、戦略的に採用活動を進めていく姿勢が求められます。
ぜひ一度、自社の採用活動を振り返り、どのフェーズに課題があるのかを整理してみてはいかがでしょうか。