ITの進化が進むにつれて、エンジニアの需要は年々高まっています。
しかし、エンジニアが市場にそもそも少ないなどの外的要因が相まってエンジニアの採用では成果が出しづらく、エンジニアの採用に苦手意識のある人事担当者様は多いのではないでしょうか。
本記事ではエンジニアの採用が激化している中、エンジニア採用を成功させるために今できる施策を中心にご紹介いたします。
人事にとってエンジニア採用はなぜ難しい?
人事にとってエンジニア採用が難しいと言われる理由は下記2点にあります。
なぜ難しいのかを理解した上で対策を打つためにも、採用につながらない理由を明確にしておきましょう。
市場に対してエンジニア人材が少ない
まず1つ目に挙げられるのがエンジニア人材が市場にそもそも少ないということです。
dodaエージェントサービスの2023年12月の転職求人倍率レポートによると、IT通信の求人倍率は8倍を超えており、エンジニアの職種に限定すると13倍を超えています。
候補者1人あたりに対して約8-13社の企業が採用を考えているという結果が出ているのです。
出典:転職求人倍率レポート(2023年12月)- doda
若手のパソコン離れ
スマートフォンが広く普及し、パソコンを利用せずとも同様の作業、情報の取得ができるようになりました。そのため、若い世代のパソコンの需要が低下し、一人当たりのパソコン保有率も低下しています。少子高齢化も同時に進行しているために、エンジニア人材の希少性はより上がっていくことが予想されます。
会社に属さないフリーランスエンジニアの増加
インターネットの普及、オンライン化が進み、会社に属さずとも個人が簡単に仕事を請け負うことができるようになり、会社に属さないフリーランスと呼ばれる人が増加しました。フリーランスを支援するサービスができたり、副業も目新しくなくなり、フリーランスへと転じやすい環境も整いつつあります。
優秀な人材は転職市場に出てこない
エンジニアに限ることではないですが、優秀な人材は在籍の企業で良い待遇を受けていることが多く、転職市場に出てくることが少ないです。また、上記に記載したようにフリーランスに転じる人も増えており、優秀な人材の確保はなおさら難しくなっています。
見極めのためにエンジニアの理解が必要
エンジニアに必要なスキルは多くあります。会社で取り扱う商材によってほしいスキルや言語が変わるため、採用を行う人事もエンジニアに関する知識を持っておく必要があるでしょう。
しかし、紙や面接だけの判断では実際の能力を見極めづらいため、一定の基準と知識を必要とされ、エンジニア経験者ではない採用担当者様には難易度が増してしまう傾向にあります。
人事が知っておくべきエンジニアの知識
上記で取り上げたエンジニア採用が難しい背景のうち、順番に4つ目までは市場の動き等が絡み、自らでは影響の与えづらい項目ですが、最後に紹介した「見極めのためにエンジニア理解が必要」の項目は知識をつけることで一定補うことができます。
知識を正しくつけるために、何を理解するべきなのか下記を参考にしてみてください。
エンジニアの職種
エンジニアの職種を理解しましょう。
エンジニアの職種には大きく分けて「開発エンジニア」「インフラ系エンジニア」「プロジェクト管理」「その他エンジニア」の4つがあります。
それぞれにどのようなエンジニアの職種があるのか、下記表を参考にしてください。
プログラミングに関する知識
次に理解したいのが、エンジニアが主に使用するプログラミング言語についてです。
プログラミング言語とは、コンピューターが指示されたプログラムを行うための言語のことで、この言語にもさまざまな種類があります。
自社が採用したいエンジニア人材はなんの言語ができているべきなのかを事前に抑え、そのスキルを習得している人材なのかなどが人事でも確認できる状態にしておきましょう。
すぐにでも取り入れられる、ミスマッチを防ぐためにできること
市場に対してエンジニア人材が少なく、有効求人倍率が年々増加しているエンジニア採用において、他の職種同様にミスマッチを防ぐことが重要となります。では、ミスマッチを防ぐために人事担当者様ができることは具体的に何があるのでしょうか。
採用したいエンジニア像を明確にする
まず1つ目にできることは、採用したいエンジニア像を明確にすることです。
現場で確保したいエンジニア像と人事間で採用したい人材の認識にズレが生じてしまうと、ミスマッチを起こしてしまう可能性が高くなります。ミスマッチをなくすためには必ず採用担当と現場社員、経営陣との認識を揃えた上で候補者を選考する必要があります。
採用したい人物像を明確にするには、採用ターゲットやペルソナを策定することが効果的です。
ウェブテストや課題でスキルチェックを行う
採用したい人材のスキルが確定したらそのスキルを保有しているのかどうか、最低限のスキルはあるのかどうか、ウェブテストや課題の提出を求めてチェックしましょう。
注意するべきことは、ウェブテストは1つの判断指標とし、全てをこれらで判断しないということです。
自社のエンジニアを同席させる
ミスマッチは候補者と企業で認識の齟齬があった際に起こることが多いです。候補者が働く環境や業務内容など、現場のリアルの声を届ける機会を設けることが重要です。
また、選考中にエンジニア専門の知識が必要になった際にも採用担当者の代わりに正しい情報提供ができます。
エンジニアを採用する際の採用施策
エンジニア採用の施策の1つとして、人材の将来性を見越した採用を行うポテンシャル採用の枠を設けることを考えてみてもいいでしょう。
特に新卒では実務経験が少ないことの方が一般的です。実務経験に囚われすぎず、基礎スキルがあるのかどうか、これまでの経験を加味して選考を行いましょう。
継続力や学習意欲が高い場合、エンジニアのスキルを習得して活躍する可能性は十分に期待できるでしょう。
スクラム採用
エンジニア採用の採用施策として、もう1つ取り上げたいのがスクラム採用です。
スクラム採用とは採用担当者だけでなく、現場社員を巻き込んで採用を行うことを指します。
現場社員、開発責任者などにも協力を仰ぐことで現場が求める人材を採用することに繋がります。
また、候補者も実際に働いている現場知識を持った人物と話ができるためより実務のイメージをより深めることができ、ミスマッチを防ぐことにもつながるでしょう。
まとめ
エンジニア採用はそもそもの採用難易度が高いため、採用ができないからといって担当者の実力不足であるとは限りません。
なぜ採用が難しいのか、要因を抑えた上で施策を打つことで改善は十分に期待できるでしょう。
「スキルも経験も十分にある人を採用したい」ではなく「ポテンシャルを見込んで採用する」、「採用担当だけで採用活動を行う」ではなく「専門的な部分の知識は自社エンジニアに補ってもらう」など、他の採用とは別で少しだけ「幅」を持たせて対応することが成功への近道かもしれません。