採用代行(RPO)とは?選定から導入のポイント徹底解説

コロナの影響を受けてオンライン化の浸透やSNSの台頭でさまざまなチャネルが利用されるようになったりと、採用市場は激しく変化をしています。

そして、それに伴って必ず増えているのが採用担当者の採用業務です。「採用するための業務」と自らが必ず行わなければならない業務以外のことに多くの時間を割かれていませんか?

採用業務が急激に増えた、採用に繋がらない…そんなお悩みを抱えている採用担当者の方は「採用代行」という選択肢を増やしてみてはいかがでしょうか?

本記事では採用代行についてのメリットデメリット、選定から導入までのポイントをご紹介いたします。

採用代行(RPO)とは

「採用代行」は英語ではRecruitment Process Outsourcingと言い、頭文字を取ってRPOと略されます。文字通り、採用を行う工程の業務のなかで部分的に、もしくは全てを外部委託することを指します。

採用代行が注目されたワケ

採用代行(RPO)が注目された背景は、外部環境の影響を受けた業務量の増加にあります。

現在採用においては売り手市場が続いており、企業は人手不足のなかで採用競争に勝たなければならないという厳しい状況下にあります。

では、売り手市場と業務量の増加を促進させた外部環境とは具体的に何があるのか、下記で詳しく紹介します。

日本の少子高齢化社会

1つ目は、日本で少子高齢化が進んでいることです。日本では少子高齢化の影響で、将来的に日本の生産年齢人口は30年後までに50%減少すると言われています。そのため、有効求人倍率はより一層伸びていくことが予測され、人材獲得のためにより一層の工夫が必要とされます。

採用の長期化

2つ目は、採用の長期化です。長期化を進めた要因は、売り手市場が進み、候補者がより良い条件の企業を選ぶために内定辞退が増えたことです。内定辞退をされてしまった企業は別の人材を採用しなければならないため、結果採用期間は伸びることになります。また、人材獲得競争が激化し、早期の段階で採用を開始する企業が増えたことも長期化の一つの要因です。

日本の少子高齢化社会

2つ目は、採用の長期化です。長期化を進めた要因は、売り手市場が進み、候補者がより良い条件の企業を選ぶために内定辞退が増えたことです。内定辞退をされてしまった企業は別の人材を採用しなければならないため、結果採用期間は伸びることになります。また、人材獲得競争が激化し、早期の段階で採用を開始する企業が増えたことも長期化の一つの要因です。

多様化

3つ目は、環境の変化による、媒体など採用手法の多様化です。以前はナビ媒体が主流だったのに対して、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用、最近ではSNS採用も広く利用されるようになってきました。他にも「人材紹介会社」など様々なチャネルで母集団を形成できるようになりました。チャネルが多様化し複数の手法を取り入れることに伴って、対応数が増加していきます。

人材紹介や人材派遣と何が違うのか?

採用代行と近い職種に人材紹介や人材派遣があります。ですが、採用代行とは別物であるため改めて3つの職種の内容の違いについて確認しましょう。

人材紹介

人材紹介は、自社にあう人材を紹介してもらうことができるサービスです。紹介した候補者との日程調整や内定がでた場合にはフォローも行いますが、紹介した候補者に限ります。また、紹介された候補者が採用に至った場合に費用が発生します。

人材派遣

人材派遣は、派遣会社から人材を借りることによって、業務に取り組んでもらう人手を増やすことができるサービスです。

業務は企業のルールや方法に沿って行いますが、採用代行に委託した際は基本的に採用代行の企業の手法で業務を行います。比べて人材派遣の場合は、自社のルールや方法に沿って行ってもらうため、派遣社員に自社で指示をできる点が異なります。

BPOとは何が違う?

BPOという言葉もよく耳にするようになったのではないでしょうか。BPOとはBusiness Process Outsourcingの略で企業のあらゆる活動において発生する業務の一部または全てを外部に委託することを指します。

そのため、RPOとはBPOの中でも採用に特化しているものを指します。BPO業者に採用代行を頼むことも可能ですが、採用に関する専門知識を必要とする業務を依頼したい場合はRPOの専門家に依頼をする方が成果につながるでしょう。

採用代行RPOが担う業務

上記で人材紹介や人材派遣との業務上の違い、BPOとの違いについてご紹介しました。

では、実際に採用代行が専門的に行うメリットのある業務とは何でしょうか?

採用代行(RPO)が担うことのできる業務についてフロー別での具体例をご紹介します。

採用計画・分析

  • 人材採用や人材活用の課題抽出
  • 費用対効果分析
  • ツールの選定、導入支援
  • 採用広報施策の計画、企画立案
  • 面接官、採用担当者の選定とトレーニング

母集団形成

  • 求人広告、スカウトメール、求人票の作成
  • メディア媒体の選定
  • インターンシップ、説明会、イベントの企画運営

候補者対応

  • 応募書類の回収、管理
  • 候補者の問い合わせ対応
  • 候補者データ管理
  • 面接日程調整
  • 面接当日の案内

選考

  • 書類選考
  • 筆記試験やウェブテストの実施
  • 選考管理

内定

  • 内定者フォロー連絡
  • 内定者面談
  • 内定者研修 

採用代行RPOのメリット

時間の捻出、残業時間の削減

業務工数に負担を感じている一部を採用代行に任せることができるため、以前以上に「採用」と いう目標に直結する重要度の高い業務(コア業務)に時間を割くことができます。時間を捻出できるので、採用担当者の残業時間を削減することや採用の質を改善することにも繋がります。

専門性が高いスキルとノウハウの活用で質を向上

採用代行はいわゆる採用のプロです。さまざまな企業の採用に従事してきているため市場やトレンドの理解、採用するためのノウハウを持っています。

ノウハウや正しいデータ活用のもと根本的な業務改善から採用計画までを実行し、採用の質を向上できます。

採用コストの削減

採用代行では、確実な効果を出すために現状の分析を行います。そこで、どこの経路が採用に繋がりやすいのかを見極めた上で現在利用していないチャネルへの知見も活かし、最適なコストを投じることができます。

採用代行RPOのデメリット

採用のミスマッチがおこる可能性

採用代行に自社の求める人物像や文化が伝わっていないと、自社とはマッチしない人材を採用してしまうことに繋がりかねません。それは、採用代行が選定する場合ももちろんですが、候補者からの志望度も同様に左右されてミスマッチを起こす可能性があります。

 もしもコア業務を採用代行に委託する際は齟齬がないようにコミュニケーションを多くとりましょう。

自社にノウハウが蓄積しづらい

採用代行は人材派遣と異なり、基本的に委託した業務内容は採用代行会社内で全て取り組みます。そのため、採用自体には新しい手法や仕組みを取り入れることはできても、実際のノウハウは採用代行会社に蓄積されているといったことも起こり得ます。

なるべく採用代行会社からノウハウを学べるような仕組みを作るといいでしょう。

適切なサービスの選定が難しい

世の中には採用代行のサービスの需要が増えていることもあり、多くの採用代行サービスが存在します。総合的な採用コンサルティングに特化しているなどの得意分野、費用、支援範囲など様々です。

費用がかかる

業務を委託しなければかからない費用のため、企業によっては費用が以前よりもかかる可能性もあります。しかし、上記で挙げたように採用代行を利用するメリットは多くあります。導入の前に、採用代行を利用して得られる価値と採用代行を利用しない場合の費用の使い道とをしっかりと比較することが必要です。

また、好意で行われた業務や認識のズレによってミスマッチが起こってしまうと後から費用が発生することもあるため、事前に防げるような取り組みを行うのが良いでしょう。

情報連携のラグ

採用代行の業者は外部で業務を行っているために、どうしても情報の共有にはラグが生じてしまいます。早急に対応しなければならない場合の対応策なども事前にすり合わせて確認しておきましょう。

採用代行RPOの相場

委託の業務量や費用形態によって異なるため、採用代行RPOの金額相場を一概に断定することはできません。

しかし、基本的には月額料金制もしくは従量課金製のいずれかの料金システムを敷いている企業が多いです。

月額料金制パッケージのプランと契約期間で料金が確定します。
委託したい業務が多い場合はお得に利用できるケースが
多いでしょう。
従量課金制決まった業務と業務量で料金が発生します。

採用代行RPO選定ポイント

自社にあった採用代行RPOを選定するにはどのようなポイントを抑えるべきかご紹介します。

委託内容に対応しているか

まずは業務委託したい内容に対応していることを確認しましょう。それぞれの企業に得意とする分野や依頼可能な業務があるので、実績などを確認しつつ委託したい内容を得意とする採用代行にお願いしましょう。

過去実績

国家資格などを獲得しなくとも採用代行のサービスは始めることが可能なため、選定の際に品質の基準となるものがありません。

そこで判断の材料にできるのが過去の実績です。企業、担当者の実績、導入事例等を確認して選定することをお勧めします。

社内体制やセキュリティ

採用に関わる業務を委託するということは、個人情報や企業の採用情報なども一緒に委託されます。最悪の場合不正アクセス、漏えいというインシデントにつながる可能性もあります。セキュリティの観点では、「プライバシーマークの取得」などセキュリティを保証する基準となるものがあるため、これらの取得があるかを確認してみてください。

費用の見積もりを明確にし、比較検討する

企業によって料金の算出の仕方が変わります。委託する内容によってプランを選定しなければ高額になってしまうこともあるため、3社以上の企業と相見積もりをとり、メリット等と並べて比較検討することをお勧めします。

採用代行RPO導入のポイント

採用代行RPOは選定で終わりではありません。導入が決まったら採用代行導入のデメリットを引き起こさないように下記の対策を行いましょう。

委託する業務を明確にする

委託する業務と社内で行う業務を明確に線引きしておきましょう。採用代行には依頼可能な業務と不可能な業務もあります。導入後に「範囲外の業務まで頼んでしまう」「できると思っていた」という状況をなくすためにも採用代行の力が必要な業務と自社で完結させる業務の棲み分けをしておくと良いでしょう。

採用ターゲット/ペルソナを設定し、求める人物像を明確に

認識のズレが企業と採用代行の間であると、ミスマッチを起こしてしまう可能性が高くなります。ミスマッチをなくすためには必ず採用代行の担当者にどのような人物を採用したいのかを伝えておきましょう。そのために活用できるのが採用ターゲットや採用ペルソナになります。

定期的な情報共有の仕組みづくり

「採用代行に委託している業務のノウハウが一切蓄積できない」ということにならないようにしましょう。定期的に業務についてコミュニケーションをとり、情報共有をする仕組みを作ることが大切です。

採用代行RPO導入に向いている企業

募集職種/募集チャネルが多い

募集職種、チャネルが多いことに伴って採用業務は増えていきます。また、それぞれで手法も異なり、ノウハウや知識が必要な場合もあります。

そのため、募集職種、チャネルが多い企業は効率よく採用するために採用代行を利用すると効果が出やすいでしょう。

早急に採用がしたい

早急な採用が必要な時、担当者にはそのほかの業務に取り組んでいる上で追加の業務になります。そのため採用にそこまで時間や手間をかけることができず、ミスマッチにつながってしまうことや採用できないといったケースが考えられます。

 そんな場合に、採用代行を利用すると即戦力となる人材を採用できるでしょう。

採用ノウハウがない

担当者や企業にとって初めての採用であったり、前任者の急な退職でデータなどが残されていないと言った場合など様々なケースで知見や採用ノウハウが溜まっていないという場合、採用代行を利用することを考えてみてもいいでしょう。採用代行の持っている知見を学び、活かしていくことができます。

まとめ

今回は採用代行RPOについてメリットやデメリット、選定から導入までのポイントをご紹介いたしました。

採用活動を業務から改善していくための一つの施策として採用代行を取り入れると、これまでにない新しい知見やノウハウを得ることができ、シナジー効果が期待できるでしょう。