採用活動で分析するべき項目と分析方法についてご紹介

採用活動において分析を行うことは重要ですが、どのような項目を分析すれば良いのかやどのように分析をすれば良いのかが分からないということもあるのではないでしょうか?

本記事では、採用活動で分析するべき項目と分析方法について紹介しています。
ぜひ、参考にしてみてください。

採用活動での分析の必要性

採用活動において分析は、自社の課題を適切に把握すること次年度以降の採用活動をより良くしていくために必要です。
ナビ媒体やエージェント、イベントなど様々な応募経路を利用している場合は、それぞれの応募経路ごとの応募者数や採用数を確認することで、より自社にマッチした応募経路を見つけることができます。応募者数や採用数が多いサービスを見つけることができれば、予算配分を適切にすることができ、コストの最適化を行うことができます。

分析というと定量的な部分だけを確認しがちですが、候補者と面接官との相性や候補者一人一人に合わせた魅力づけができているかなどの定性的な部分も合わせて確認することが重要です。

分析するべき項目 

採用活動において分析すべき項目は応募経路以外にも応募者情報や歩留まり、評価内容、アンケート内容などがあります。下記ではそれぞれの項目について紹介します。

応募者情報

応募者情報では、下記の3つの項目を確認します。

・応募者の在住エリア
・出身学校
・出身学部

これら3つの項目の分析をし、採用率の高い在住エリアや学校、学部を見つけることで、その項目に合わせた広報やイベント出展を行うことができるようになります。
◯◯大学出身の学生が採用数として多ければ、なぜその大学出身者が多いのかを考えることが重要です。規則性や方向性が分かれば、その内容に合わせた訴求を行うことができます。
例えば、◯◯大学には、プログラミング言語の「Python」や「Java」を学べる学部があり、自社内でもその言語を使用しているため、学生時代に学んだ内容を仕事でも活かせるという理由から入社を決めたという学生がいれば、同じような学部出身者には「学生時代に学んだ内容を仕事でも活かせる」という部分を訴求し、魅力づけがすることができるかもしれません。

学部の例を出しましたが、在住エリアや学校でも規則性や方向性が分かれば、魅力づけのポイントが見えてくることがあります。

応募経路

応募経路では、下記の3つの項目を確認します。

・応募経路ごとの応募者数
・応募経路ごとの採用数
・応募経路ごとにかけた費用

応募経路は、ナビ媒体やエージェント、イベントなどがあります。
応募経路ごとの応募者数と採用数を確認することで、どの応募経路からの採用ができているのかを確認することができ、次年度以降で優先して利用するべき応募経路が分かるようになります。また、応募経路ごとにかけた費用と採用数を確認することで応募経路ごとの費用対効果も確認することができ、適切な予算配分も行うことができるようになります。

歩留まり

歩留まりでは、下記の5つの項目を確認します。

・予約率
・参加率
・通過率
・辞退率
・キャンセル率

各選考段階ごとに上記5つの項目を確認することで、採用プロセスのどの部分を改善するべきなのかを明確にできるようになります。改善するべき部分が明確になれば改善するためのアクションも考えやすくなります。例えば、会社説明会の参加率が悪ければ、リマインド連絡の強化や会社説明会実施時間の変更などの改善のアクションを考えることができます。

評価内容

評価内容では、面接官が評価した項目を確認します。
面接官ごとに評価した項目を確認することで、評価のズレや甘辛を確認することができ、自社に合う候補者をしっかり判断できるようになります。
候補者も面接官も人同士であるため、人としての相性というものがあります。そのため、相性により評価が甘くなり、選考を通過してしまうことや逆に評価が厳しくなり過ぎ、本来であれば通過していた候補者を落としてしまっていることがあります。面接官ごとに評価した項目を確認することで、面接官が正しく評価を行うことができているかを確認でき、より候補者を正確に見極めることができるようになります。

アンケート内容

アンケート内容では、各選考段階で回答してもらった項目を確認します。
アンケートは会社説明会終了後にのみ取ることが多いですが、各選考終了後に取ることで候補者の現在の状態や思考の変化を確認することができるようになります。。アンケート内には、候補者の「企業選びの軸」や自社の「魅力に感じた点」など学生の思考を探れるような設問を用意しておくことがおすすめです。学生の思考に関わる情報を集計しておくことで、例えば、会社説明会については昨年と変更した点はなく同じように進めたものの、次回選考への参加率が昨年と比較すると下がってしまったなどの事象が起きた際に、昨年の学生とは思考の変化があり、魅力に感じるポイントが違うということ読み取ることができるようになります。

定量的なデータを確認するだけでは見えてこない候補者の思考の変化や面接官の情報の伝え方など定性的なデータも分析することでより改善アクションを明確にすることができるようになります。

分析方法

上記の項目では、採用活動内で分析すべき項目について紹介しました。
この項目では、分析の手法や手順について紹介します。

①各応募経路ごとの歩留まりを算出

初めに、各応募経路ごとに歩留まりを算出します。
図のように、選考段階ごとに応募者数や選考者数、採用数、予約率、参加率、通過率、辞退率、キャンセル率が一目で分かるようにしましょう。

応募経路ごとにデータを記載し昨年のデータと比較することで、昨年の採用活動との変化が分かり、自社の採用活動で改善すべき部分を数字で明確にすることができます。

②各応募経路ごとの費用と採用人数の費用対効果を算出

次に、各応募経路ごとにかけた費用と採用人数の費用対効果を算出します。

費用対効果の出し方は下記の通りです。
ナビ媒体Aにかけた費用100万円➗採用人数2名🟰一人あたりの採用単価50万円
ナビ媒体Bにかけた費用200万円➗採用人数5名🟰一人あたりの採用単価40万円

一人あたりの採用単価を40万円に抑えることができているナビ媒体Bの方が、費用対効果が高いということになります。
各応募経路ごとの費用対効果が分かれば、あとは費用と採用人数の調整をし、自社に合う応募経路を選択していくだけです。

③改善すべき部分の考察を行う

①で明確になった改善すべき部分に対し、評価内容やアンケート内容、応募者情報などあらゆるデータをもとに分析を行います。
会社説明会後の辞退率が悪かった場合には、会社説明会時に集めたアンケート内容を確認し、どういった部分が良くなかったかを確認します。
例えば、「他社との違いや差別化ポイントが分からない」などのコメントが複数あれば、現在の会社説明会資料では候補者には他社との違いが分からないということが分かるので、その内容を会社説明会資料に加えることが必要です。

アンケート内容以外にも、評価のズレから選考の通過率が下がることや地域により魅力として伝えるべきポイントが異なり、地域に合わせた情報発信ができておらず、選考の辞退率が上がることなど様々な要因があります。そのため、改善すべき部分には様々な角度から考察し、改善のアクションを考えていくことが必要です。

まとめ

採用活動において分析は、自社の課題を適切に把握することや次年度以降の採用活動をより良くしていくために重要な業務です。質の高い分析を行うには、採用活動中のデータ蓄積が必須となります。予めどういったデータを集計しておく必要があるかを確認した上で採用管理シートなどに情報を必ず入力していきましょう。
また、定量的なデータだけでなく、定性的なデータも合わせて活用することがより質の高い分析を行うことへと繋がるため、アンケートや面接官の評価内容、応募者情報などもしっかり収集していきましょう。

今回は採用活動全体の分析について紹介しましたが、下記の記事で選考中の歩留まりを改善するための方法についてまとめているので、こちらも是非、参考にしてみてください。