採用を行う企業が必ず開催するのが会社説明会ではないでしょうか。そんな説明会の集客は満足にできていますか?
企業の説明会には単独説明会と合同説明会があり、集客において共通する苦戦とそれぞれの特徴に合わせた苦戦が考えられます。
本記事では説明会を集客から成功させるための効果的なポイントや、今すぐに実行できる施策について単独説明会と合同説明会それぞれの特徴と共にご紹介します。
採用市場はトレンドの変化が大きく、日々情報にアンテナを張ってさまざまな手法を取り入れている人事の方は多いと思います。そんなご担当者様が活用できる一つの情報になれば幸いです。
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そもそも集客は必要なのか?
結論、ほとんどの企業にとって必要です。なぜなら、説明会の集客数が採用の母集団になるためです。有名な大手の企業では集客しなくとも募集が集まる可能性もありますが、おおよその企業は母集団形成に苦戦しています。
単独説明会と合同説明会
企業の説明会には単独説明会と合同説明会があると上述しましたが、それぞれどのような説明会のことを指しているのかについてご説明いたします。
単独説明会
単独説明会とは「企業説明会」ともよばれ、企画から運営まで自社のみで行う説明会のことを指します。基本的には媒体や採用サイトなどでプレエントリーした学生を選考に引き上げるための興味喚起の機会として企業が開催します。
合同説明会
合同説明会とは複数の企業が同じ会場で説明会を行う会のことを指し、「就活フェア」などとも称されます。基本的には合同説明会を開催する企業の告知などで集まった学生と出展企業がマッチングするような仕組みになっています。
説明会への集客に使われる経路の特徴と種類
説明会の手法は単独と合同で変わりますが、説明会の集客に使われる経路はどちらも同じです。世の中の企業はどのような方法で集客を行っているのか、集客経路についてご紹介します。
ツール①:ナビ媒体
ナビ媒体では、マイナビ/リクナビを代表とする就活サイトにて求人広告を掲載してエントリーを集めることができます。
特徴:大手就活サイトは登録者数が多いため、自社の力のみでは出会うことのできない学生とマッチングする可能性があります。しかし、企業も同様に登録社数が多いため、自社の情報が埋もれてしまうこともあります。
ツール②:SNS(Instagram・X・TiKTok)
SNSツールでは企業について簡単に発信することができ、エントリーの導線を作成すれば興味を持った学生からその場でエントリーを募ることもできます。
特徴:利用ユーザーであればさまざまな人と繋がりを持つことができます。ただし、継続的な発信を行う必要があります。
ツール③:大学の就職課・キャリアセンター
大学の就職課やキャリアセンターにて求人募集を掲載してもらったり、説明会を開催して応募を受け付けることができる。
特徴:自社にマッチしやすいであろうターゲットにピンポイントでアプローチすることができます。一定の時間や費用がかかってしまいます。
ツール④:ダイレクトリクルーティング
ナビ媒体などの求人情報で公開するのではなく、直接候補者にアプローチする採用活動の方法のことを指します。オファーボックスなどは代表的なダイレクトリクルーティングサイトです。
特徴;ペルソナに近い人物を選定して個別アプローチできるため、特定の人材を採用するには効果的です。スカウトを送る人物を探したり、その人物にあったスカウト文章を考えなければ他社と差別化できず、工数がかかる可能性があります。
ツール⑤:合同会社説明会
一つの場所に複数の企業が出展し、興味を持ってくれた候補者に企業の魅力をアピールできるイベントです。オンライン、オフライン両方で定期的に開催されています。
特徴:1度の参加でさまざまな、そして多くの学生と交流できます。普段ターゲットにしていない学生ともコミュニケーションを取ることができるため、新たな可能性や選択肢を探ることもできます。
集客で苦戦しやすい5つのポイント
採用市場では売り手市場が続いており、ほとんどの企業が母集団形成に苦戦を強いられています。それに伴って、説明会の集客にも苦戦をしている企業も多いのではないでしょうか。
せっかく課題を認識していても、行った施策が的外れでは取り組み損になってしまうため、なぜ苦戦しているのかを明確に捉えて施策を立てられるようになりましょう。
集客で苦戦するポイントは単独説明会、合同説明会のどちらにも当てはまりますが、合同説明会の集客は合同説明会を開催する企業が基本的には行います。
集客の方法を知らない
そもそも集客をどのようにするべきなのかわからないという人事の方もいるでしょう。また、今の学生に併せた新しい手法も求められており、従来の手法とは違いノウハウが蓄積されていないかもしれません。その状態で学生にアプローチしたり、広告を売ったりしても、ターゲットとなる候補者に情報が届いておらず人が集まっていないという可能性があります。
集客チャネルをうまく利用できていない
集客のために用意しているチャネルを活かしきれていない場合があります。最近は集客のチャネルにSNSが加わったり、ダイレクトリクルーティングなどの採用手法もメジャーになってきました。
これらのチャネルはそれぞれに特徴があり、その集客方法にあった活用をしていないために人が集まっていない可能性もあります。
魅力のある訴求ができていない
説明会に参加してもらうには、数ある求人情報の中から興味を持ってもらわなければなりません。そのためには、説明会前に候補者の目につく情報、例えばホームページや求人情報の内容が、他社よりも興味をひくようなものである必要があります。
SNSアカウントや会社動画などで情報を取得できる企業と、ホームページの情報のみの企業があった場合興味がひかれるのは前者になるでしょう。
そもそもの知名度が低い
学生の集客に企業の認知度は大きく影響していると言えるでしょう。誰もが知る大手企業や、街中で見かけたことのある企業に候補者は集まりやすい傾向にあります。
認知度が高い企業と同様な場所で求人を募集するだけでなく、他の場所でターゲットとなる候補者にアプローチしましょう。
開催場所や時間で参加ハードルを上げている
新型コロナの影響で、「オンライン化」が進み対面が基本だった説明会にオンラインでの開催を取り入れた企業も多いのではないでしょうか。そして、アフターコロナでオフラインの説明会開催を再開した企業もいるかと思います。
オンライン、オフラインそれぞれで参加のハードルを上げている要因について抑えておきましょう。
オフラインの場合はアクセスが原因
オンライン説明会は対面と比べて移動という「手間」と「時間」の制限がなく、候補者の参加ハードルを下げました。そのため、対面の説明会実施に加えて会場へのアクセスが悪いと参加ハードルはより高くなってしまいます。
実施の際は、駅チカや大通りに面しているなど、アクセスの良い会場を選定するといいでしょう。
オンラインの場合は時間が原因
上述したように対面と比べて移動という「手間」と「時間」の制限がないため、基本的には参加のハードルが下がっています。その中で参加しづらいオンライン説明会の特徴とは、時間が合わない、想定時間が長いなどが挙げられます。
説明会集客を成功させる開催時のポイントは?
本項では説明会の集客と開催時のポイントについて
- 単独説明会と合同説明会に共通する集客成功のためのポイント
- オンラインverでの単独説明会と合同説明会に共通する集客成功のためのポイント
- 合同説明会で考えるべき集客成功のためのポイント
に分けてご紹介いたします。
単独説明会と合同説明会に共通する集客成功のためのポイント
採用ターゲットを明確に!
合同説明会にはさまざまな学生が参加します。参加する学生の中には自社ターゲットとは当てはまらない方もいます。求めるターゲットに興味を持ってもらい、選考に進んでもらうためにはまず採用ターゲットを明確にしておくことが大切です。
就活生との目線を合わせ、会社の訴求ポイントを明確にする
上記で定めたターゲットが「興味のあるものや訴求とは何か」を元に、会社の訴求ポイントを明確にして参加しましょう。ターゲットとする学生は、参加する企業もターゲットとしている可能性が高いです。その中で学生に自社に興味を持ってもらうためには、学生の興味のあるポイントや惹かれるポイントに即した訴求を行うと効果があります。
例えばベンチャー志望の学生が「研修などの制度がないのではないか…」という懸念を持っていると仮定した場合、「充実の研修後、挑戦を後押しする環境があります」と言われると、話を聞いてみたいと思うかもしれません。
今後のステップを明示し、次のアクションへ誘導する
せっかく接触することができた学生にエントリーしてもらえるような導線を用意することが重要です。エントリーしてもらえなければ、コストも時間も無駄になります。
合同説明会の後選考に参加するまでに時間が空いてしまうと学生の興味度合いは低くなってしまうため、興味度合いが高いうちにエントリーまで行ってもらえるように継続的にアプローチしましょう。
例えばエントリーが可能なQRコードを用意しておいたり、ナビサイトやLINEで友達登録してもらうのが学生も工数が少なく、取り組みやすいでしょう。
オンラインにおいて単独説明会と合同説明会に共通する集客成功のためのポイント
オンラインでは企業の部屋がブレイクアウトルームや企業ごとのオンラインツールリンクで分けられています。学生は移動せずにさまざまなブースを見て回ることができ、実際の顔を見せず、話さずとも参加することができます。そのため、来場者に興味を持ってもらい、どれだけ自社のブースに引き止めることができるかが勝負となります。
来場者をブースに引き止めておくためにできるコツは下記の2点です。
飽きさせないスライド・コンテンツ
オンラインの説明会で学生の目に入るのは、スライドと話している人の顔です。スライドはわかりやすい見た目か、入っている文章量は適切かなど、スライドの中身を確認する必要があります。
また、学生の飽きないコンテンツには一つ、学生の知りたい情報を入れることがあります。コンテンツの内容を考え直すなど、学生が飽きないような時間になるように工夫しましょう。
チャット機能を有効活用する
基本的にオンラインの会場で使われるツールには候補者とやり取りができるチャット機能があります。例えばチャット機能を利用すれば、説明会の途中で学生が疑問に思っていることをその場で質問してもらえるようにし、学生の意見を漏れなくキャッチアップすることなどが可能です。
合同説明会で考えるべき集客成功のためのポイント
合同説明会は基本的に大手採用支援企業などが企画運営しているため、事前の集客は運営会社がおこなってくれます。
単独説明会と異なり、事前の集客で説明会の動員人数は決まらないのが合同説明会です。運営会社の集めた母集団から呼び込みなどを通してブースに立ち寄ってもらう必要があります。
そのため、合同説明会で押さえておきたい集客のポイントについてご紹介します。
会場確認
自社のブースを目に留めてもらえるように会場全体と自社ブースの位置から、学生が歩く導線など を確認しましょう。歩く導線から学生の目線に応じて看板を立てたり、パンフレットを配る位置を 決めたりすると効率的にアプローチできるでしょう。
呼び込み人数の最適化、声かけの徹底
ブースに人がいないように見えないようにしましょう。ブースに人がいないと、気になっていても 「入っているのは自分だけ」と周りを気にして入らない学生もいます。また、自らブースに入ることに抵抗がある学生もいるため、パンフレットを配るなどしながら積極的な声かけを徹底し、たくさんの学生をブースに誘導しましょう。
他社ブースの見学
自社以外の企業の情報を見ることができるチャンスです。自社の採用活動に取り入れられる「仕組 み」「取り組み」を他社が持っているかもしれません。オリジナルを見つけなければいけない訳ではないので、積極的に他社ブースに見学しにいきましょう。
もしもいい取り組みですぐに実践できそうなものがあればその場で活用して試してみることもいい でしょう。
いますぐ取り入れられる施策
最新の学生の動向に合わせた訴求ポイントを見つける
学生の視点を意識し、最新の学生の動向に合わせた自社の強みポイントを見つけましょう。
24卒学生の動向とは?
就職みらい研究所では、24卒学生をターゲットに「働きたい組織の特徴」について「経営スタイル」「貢献と報酬の関係」「成長スタイル」「ワークスタイル」「コミュニケーションスタイル」の5つの観点でアンケートを取っています。下記の点を自社の訴求ポイントと照らし合わせて発信できることがないか取り入れてみてください。
「経営スタイル」では、「安全性」「将来性」「慎重性」を重視している回答が多く、学生生活の大半がwithコロナで、社会の不安定さを目の当たりにした世代の傾向なのかもしれません。
「ワークスタイル」では「働きやすさ」に着目して回答している学生が大半です。チームで働くことや人を巻き込んで働くことから、オフィスの綺麗さ、勤務地など、理想のイメージや要件が固まっているように思えます。
学生の知りたいに合わせた施策を取り入れる
- 1次選考前にカジュアル面談を取り入れる
社員と面接要素のない面談をくみ、企業理解の促進をはかりましょう。やはり選考よりも参加ハードルが低く、参加率の向上をはかれるでしょう。上記の「安心」につながる要素を人事や経営陣以外の人間から聞くことができると、より信憑性を増して伝えることができるでしょう。
- オフィスや社員紹介などを写真や動画付きにする。
実際の職場環境への興味度合いが高いため、会社の中でも社員の執務スペースや福利厚生のスペースなどを紹介すると良いでしょう。もちろん、写真を掲載するだけでもイメージを深められます。
- 今後の展望を伝える
事業の方向性や、社会にどのように貢献していくのかなど、候補者の「安心」につながる要素を伝えましょう。
参考:株式会社リクルート 大学/大学院生の「働きたい組織の特徴」2024
まとめ
今回の記事では単独説明会と合同説明会において満足に集客を行うためのポイントについてまとめました。
「知名度」「人気業界」というものは要素であり、自社にあった手法で、学生の興味に合わせ自社の魅力を発信して正しくアプローチできれば自ずと候補者は集まります。
集客のためのポイントを抑え、説明会を集客から成功させましょう。